代表中野を嗤え「作用反作用」(2024.11.19)

「トランプ前大統領の再選で、世界中の投資家が「疑心暗鬼」に
陥っています。
前回のトランプ大統領時代のイレギュラーな政策運営に懸念をしている
のです。
それだけに、おかしな思惑が先走りします。」

■トランプ氏は「ドル高」が嫌いである。→ドル安政策を推進する

アメリカのドル高には、様々な要素があります。
各TEC企業の世界を席巻する強さは、先ずドル高の最大の要因です。
経済の強さと同時に金利の高さもドル高を加速します。

トランプ氏は、金利を下げて「ドル安」に持ち込もうとしても、様々な政策
との整合性をとらなければなりません。
「関税強化」は物価を上昇させます。インフレ再燃の懸念があります。
「ドル安」にバイアスを置くなら、この政策は優先順位を下げなければな
りません。
物価を抑えるためには、アメリカではガソリン価格を引き下げるのが、最短
の方策です。
トランプ氏のシェールガスを掘りまくれというコメントはガソリン価格を
下げてインフレ率を引き下げることが目的です。
「脱炭素」よりなにより「インフレ」抑制を重視するからです。

しかし、原油先物価格が下落することに反対する国々も多くあります。

中東産油国とロシアです。

トランプ政権の目標である「世界平和」を実現するための、カウンターパーテイ
であるこれらの国ぐにとの対立を促進するわけにはいきません。
アメリカ国内だけに影響が留まるような方策が求められます。

実に難しい!

■アメリカがウクライナを支援している資金は、実はまわりまわってアメリカ
に還流しています。
全てアメリカから武器を買うからです。

そのため、ウクライナ支援が始まってからRTXというアメリカの軍需会社
の株価が上昇を継続しています。

ウクライナへの支援を削減するという事は、アメリカの軍需産業への資金流入
が減少するという事でもあります。

ウクライナ停戦のためにはクリミア半島、ウクライナ東部地区の一部をロシア
に正式に割譲することが求められます。
それを見越して、ウクライナ側もロシアに攻め込んでいます。
領土のバランスをとるためです。

この停戦も、取引になると考えています。
早く停戦して、復興に向かうほうが経済的にもいいからです。

イスラエルに対しても同様の事が言えます。

ただし、この地域は石油産出国が多くあります。

前述した石油政策をうまく機能しないことには、協力を仰ぐことが難しく
なります。
石油政策をうまく使う事により「脱炭素」ブームで不安を感じている産油国に
対してアメリカが安心感を与えることで妥協の道を探り、取引に応じてくれる
事を模索するのだと考えています。

■政治は複雑です。「正義」「大義」「人道主義」などより先に、「経済」
が先に来ます。
「正義」「大義」「人道主義」では食べれませんが「経済」は人々の空腹を
満たすころが出来るからです。

洋の東西を問わず、「衣食足りて礼節を知る」は正しいのです。

トランプ氏の言動を面白おかしく周辺で騒ぐのは自由です。
しかし、自分に関係がないことだとして考えると間違えます。

自分ならどうするのか、どうなるのか、そう考えることが大事なのです。