代表中野を嗤え「名店「エヌヴィデア」」(2024.06.19)

「エヌヴィデア株が好調です。10分割した後も株価を順調に上昇させ
遂に世界一の時価総額となりました。

日本の半導体関連銘柄は、その動きについていけません。
何故なのでしょうか?」

■おとぎ話です。

東京は銀座に、「エヌヴィデア」という名店がありました。
ミシュランの星も長年にわたり取得し続けるこの店に予約を取り付けるのは
至難の業です。
噂によるとすでに数年先まで予約で埋まっているとのことです。

さてこの「エヌヴィデア」氏は新しいメニューや味のコンセプトを作り上げます。
その味やコンセプトは、独創的で、ライバルの追随を簡単には許してくれません。

しかし、「エヌヴィデア」氏が、常に厨房に立って料理をしているわけではない
のです。
スープの調合、味わいの決定、盛り付けの見本を作り出すだけです。
客の前に運ばれてくるのは、「エヌヴィデア」氏の指示に従って、料理を作る
「TSMC」さんという料理人が行います。

「エヌヴィデア」氏の評価が上がり、「盛り付け」などで料理を仕上げている
「TSMC」さんも多忙を極めています。

さて、「エヌヴィデア」氏のレストランにも様々な品物を納入する業者が多くいます。
肉類や酒などの調味料、寸胴や圧力なべ、小麦やチーズなどなどです。

これ等の対応は「TSMC」さんが行います。

さて、問題です。

この登場人物の中で、一番儲けている人は誰でしょうか?

もちろん一番は「エヌヴィデア」氏です。
二番目は「TSMC」さんです。

納入業者も利益は上がりますが、「エヌヴィデア」氏の料理に特別必要な材料を
提供している会社以外は、それほどでもありません。
とはいえ、「エヌヴィデア」の売り上げが拡大すればするほど納入業者にも
メリットが出るのです。

■回りくどい言い方をしましたが、「エヌヴィデア」株が上昇しても日本の半導体
関連銘柄が同じように上昇しない理由は、上記が理由です。

日本の半導体関連銘柄とは、鍋や包丁、野菜や魚、肉などを納入している業者
に過ぎないからです。

「エヌヴィデア」の利益拡大売り上げ増大は、もちろん好影響を与えますが、
その利益の拡大幅は限定的だという事です。

よく考えれば当たり前のことなのですが、そうは考えない投資家が多く存在します。

株式投資にとって、最も重要なことは何か?

私は、健全な社会常識だと考えている次第です。