代表中野を嗤え「市場原理」(2024.07.03)

「日銀短観で内需の回復に陰りが出ています。相次ぐ「値上げ」攻勢で、
やはり社会的弱者の「消費」が減少し始めているのかもしれません。」

■「緩やかなインフレ」回帰、「賃上げ」により、消費が回復し、景気が
戻る、成長が持続するというシナリオは、ある意味、人口構成が、10代後半
から60代までの「労働人口」が緩やかなピラミッド構造をしている時に
成立するものではないか、と考えています。

「賃上げ」の恩恵を受ける「労働人口」に属する人たちの「値上げ」耐性
は比較的高いと考えています。
「賃上げ」でカバーされているからです。

しかし、日本は、中国に続いて「高齢化」が進んでいる国です。
既に「労働人口」の数と「高齢者」の数は均衡し始めています。

「高齢者」の収入は、「年金」と「貯蓄」です。
「年金」も「インフレ」に合わせて増加しますが、その上昇幅は限定的です。
「貯蓄」は、「預金」が大半のわが国では、増過速度は極めて低く、アメリカの
ように「貯蓄」で、「インフレ」に対応することができないでいます。

急速な「値上げ」が消費を冷やすことは、「市場原理」から考えれば極めて
当然のことです。
人が「合理的な判断」を行うとすれば、収入が限定されている時に「消費」を
抑えるか、「消費先」を変更させるのは極めて合理的な選択だからです。

「値上げ」は、消費者の「買い控え」という反乱で抑え込まれることになります。

「消費税」以上に「労働人口」から外れ「高齢化」した人々への対応をどう
するのかが、大きな課題なのです。

まして、「高齢化」は「長寿社会」として、恒常化しそうなのです。

■アメリカのGDPの70%は個人消費であり、その「個人消費」をけん引しているのは
「高齢者」だと言われています。

「高齢者」の消費を誘引しているのは「株高」です。

彼らの「貯蓄」の多くは「投資信託」であり「株式」です。
アメリカの株高は、高齢者の消費を増加させており、その消費がアメリカ経済を
けん引しているのです。

日本との大きな格差!

日本は遅ればせながら「NISA」制度の発足で、この格差を縮めようとしています。

「NISA」制度は「高齢化」が進行する日本の中で何としてでも機能させなければ
ならない制度なのです。

問題は制度を活用する個人の側です。

「インフレ」「経済成長」に対応できるような投資をしなければ政策の趣旨を
十分に反映できるとは思いません。

経済成長が反映できる「株式投信」をせんたくするならまだしも、「インフレ」
に最も弱い「金利商品」を選択しては、将来に禍根を残すと考えています。

■いずれにしても「大衆」は周りの雰囲気にのまれやすいものです。

政治は、国民全員を「悪平等」的に保護する「結果平等」から、個別の努力に
より結果が変動する「機会平等」の政策に転換したと考えています。

時代の変化に対応してください。

「みんなが言っているから」ではなく「私がこう考えるから」という意志ある
方向に生き方を変えましょう。