代表中野を嗤え「景気後退の象徴」(2024.06.21)

「株式市場は経済の反映です。先行きの経済状況が悪い、景気が低迷する
と市場が考えた時は、先ず、景気敏感株から売られます。

しかし、市場を形成している主力の投資家の感覚が常に正しいとは言えません。
それが株式投資の難しい所でもあります。」

■日本市場は4月以降明確に海外投資家の買いの勢いが減衰しています。

日本史じょぷでの売買高に70%以上を占める海外投資家が、「日本経済の
停滞」を感じ始めたのだと考えています。

この欄でも以前指摘したようにそういう時には「マクロ」から「ミクロ」へ
物色対象が変化します。
つまり、指数がけん引して相場水準を押し上げる、という事ではなく、個別
銘柄の材料物色が中心となります。

そのため、売買代金は減少し、全体としての水準訂正は緩やかになります。

さて、日本経済が「低迷」する、とは、どういう考え方から来ているのでしょうか。

明白なのは、5月の決算開示で日本の主要企業が示した今年度の収益見通し
の慎重な数字です。
なんと、2024年度は2023年度と比較して減益見通しとなりました。
ほとんどの輸出企業が基準とする為替レートを145円前後に想定しています。

4月の春闘で歴史的な幅の賃上げが実現しました。
マスコミは「実質賃金」は連続マイナスが続いているなどとして「不況感」を
煽ります。
しかし、「実質賃金」で考えるサラリーマンや勤労者は多くないと思います。
「インフレ」は別世界の事です。「インフレ」で割高になったものには消費を
しなければすむだけです。
多くの人は「名目賃金」の上昇を素直に歓迎し、「名目賃金」の上昇に
合わせた消費を拡大します。

つまり、4月が底で、5月以降は日本の内需を中心とする景気は拡大に転じている
と想定したほうがいいと考えています。

■「不景気」を象徴する業種は何でしょうか。
それは、不景気になれば人々の移動が減少するとして、「輸送関連」企業が代表
に上げられます。

日本でいえば、JRに代表される鉄道関連の銘柄です。

5月頃から関東や関西の私鉄各社、JR東日本などの株価が売り込まれています。
不景気で通話料も減少すると考えるのかNTTの株も下落しています。

しかし、景気、なかんずく内需の堅調さが明らかになってくると、市場の
雰囲気は激変するのではないかと考えています。

■「叩かれ銘柄の反攻」は、相場妙味のあるところです。

株主総会明けのタイミングは仕込みどころかもしれません。