代表中野を嗤え「株主優待制度」(2024.07.11)

「株主の中に海外投資家の比率が増えてくると、「株主優待」にコストを
掛けるのであれば、「配当」に回してほしいという要望が出てきます。

海外投資家からすれば、海外在住で「使いようのない」「株主優待券」
を付与されても何のメリットもないことは事実です。

とはいえ「株主優待」には、本来の意味があるはずです。」

■海外投資家からすると国内の投資家にしか使えないような「株主優待券」
を配布されても使えないというのは事実です。

また、投資信託や年金などの機関投資家も「株主優待券」の取り扱いには
苦慮しています。
多くは「金券ショップ」で換金したり、そのまま放置したりすることも
多いようです。
「運用担当者」が流用するというのもおかしな話ではあるからです。

会社と株主という関係性から考えると、また、「株主平等」の原則から
考えると個人投資家に偏重した「株主優待」という制度はやや合理性を
欠いています。

■「株主優待制度」の始まりは、株主と会社の関係性がより密接なところから
始まっています。
多額の投資資金が必要であった「鉄道」や「百貨店」「外食」などは、株主=
顧客という観点から「株主優待制度」を開始しています。

投資をしてもらい、より会社の事業を理解してもらい、株主に利用して
もらう事により会社の事業も反映し、それは株主にも反映する、という
まさに双方に利がある制度なのです。

しかし、「株主優待制度」を株価に換算してみると実はあまり大きな株価では
ないことが多くあります。
せいぜい「10円」から「20円」程度です。
株価が一動きすればカバーできる範囲です。

「株主」であるという「マウント」を取りたい人には「株主優待」を利用する
事で「プライスレス」のメリットを感じる人もいますが、合理的な株価形成
とは異なります。

■「株主優待制度」は、会社と株主の一体性が必要な業種は是非継続するべきだと
考えています。会社の事業を株主により理解を進めてもらい、事業への営業協力
を仰ぐというのは、おかしなことではありません。

おかしな「株主優待」は、事業とは何の関係もない「金券」や「お米」などを
「株主優待」と称して、配布する会社です。
またそれに飛びつく個人投資家も浅はかだと考えます。

会社は株主に対しては、「配当」などの還元策で報いるべきであり、「株主優待制度」
の原理原則に反した行為は合理性がありません。
それらの会社をもてはやす評論家や証券会社も如何なものかと考えます。

■事業と無関係の「金券」などを配布して株価を上げようと目論む行為は継続しません。

何より、会社を長く株主として支援してくれる機関投資家や海外投資家が、投資対象
から外す可能性が極めて高いと考えるからです。

経済合理性に従い、原理原則を守る会社にこそ投資は行われるのです。

原理原則に従った「株主優待制度」は是非残してほしいと思います。
その会社のファンになる、長く応援する、そういう気持ちこそが株主と会社の
本来の姿だと考えるからです。