代表中野を嗤え「株屋殺すに刃物はいらぬ・・」(2024.09.06)

「「株や殺すにゃ刃物はいらぬ、より引け同値にザラ場なし」という格言があります。
つまり、株価が動かないことが、株式関係者にとって、最も困ることだ、という
事です。」

■株式市場では、同じ材料が、ある時は「買い材料」にある時は「売り材料」になる
事が良くあります。
日本だけでなく、アメリカでも同じような現象が起きます。

最近では、景気が悪い指標が相次ぐと、「金利が下がる」兆候だとして、株式が
「買われる」という事が起きました。
アメリカで二年越しで起きていた、この現象は、「株価と景気」の関係を無視した
不自然な現象でした。
そして、「金利」がいよいよ下がるとなった時に「景気が悪い」という指標が出ると
今度は、「景気が悪いと株価が下がる」という本来の「悪材料」として取り上げ
られるようになりました。

相場の方向性が、どちらが「正しい」か「間違っている」かという議論ではありません。

単に、相場を動かしている「お金」がより効率的に「利ザヤ」を稼ぎためには、どう動いた
方が有効なのか、というにすぎません。

■株式相場が、このような表面的な動きだけで動いているかというと、実はそうでは
ありません。

経済が本格的に悪化する、金融危機が訪れる、「お金」が存在そのものの危機を感じる
等の時には、相場は急激な激しい動きをします。

最近では「リーマンショック時」に、「お金」の基盤が崩壊するかのような危機感で相場は
大きく下落しました。
それ以前では、日本のバブル崩壊時のように、「お金」そのものが失われる、価値がなくなる
という危機感で相場が崩壊しました。

この50年間では、本格的な危機感で相場が動いたのは、この二件だけではないでしょうか。

■現状の相場の動きは、まだ、「株屋」の相場観の範囲内、「利ザヤ」獲得の範囲内で動い
ていると考えています。

各投資家のポートフォリオの偏りの修正がはじまると、先行して、「買われすぎた」
銘柄は売りに押されます。
「割安」に放置されていた銘柄には買いが入ります。
しかし、「買われすぎた」銘柄の売りの方が当面は長く継続します。「買われすぎた」という
事は保有過剰の投資家が極めて多いという事だからです。

反面、「割安」銘柄への買いはまだ少なく、どうしても売りがかつ状況が続きます。

そういう状況を説明するのに、「株屋」の話をしていては、「理知的」な「合理的」な
感じがしません。
かくして、相場関係者のコメントは、「為替」や「金利」や「政策」などの話に絡めます。

しかし、現実は「株屋」の気分と「利ザヤ」稼ぎのビジネスの流れの話に過ぎないと
考えています。

■という事は、いずれ、同じ材料でも真逆の話が出てくる可能性が高いという事です。

相場の渦中に嵌まると、流行りの言葉でいうと「沼に嵌まる」と見えなくなることが
多くなります。

俯瞰してみることの大事さを考えましょう。