「株式投資に際して、「配当」は重要な判断要素ではあります。
株式の価値は、事業の成長にあります。事業の成長は株価の上昇で
反映されます。
「10円」の配当をとるのかそれ以上の株価の上昇に期待するのか
は投資家の性格にもよります。」
■株式投資に馴染みがない人たちの多くは、銀行預金と類似している
「配当金」を注視します。
「配当金」は、預金と同様確定のように考えられていますが、そうでは
ありません。
企業の業績の「結果」により変動するものです。
減少もあれば、増額もあります。
また、通常の会社は年二回の配当です。
■「配当金」は、会社からすると資金の「社外流出」です。
事業意欲が旺盛であり、また、投資にふさわしい事業がふんだんにある場合
には、「配当金」として、社外流出させるよりは、「投資」に使うほうが
会社の価値を大きくすることができます。
伸び盛りの会社、継続して成長している会社からすると「配当金」で株主
に還元するよりも、成長の成果である「株価の上昇」で、還元したほうが、
株主にとって有利であるという考え方を持っています。
■「連続配当の会社」「連続増配の会社」には、市場から一定の関心が
持たれます。
豊富な利益で、「投資」二も潤沢な資金を使い、「配当金」にも増配で
株主に報いる、そんな会社があれば、そんな会社は、株価が上昇し、結果
として、配当利回りは下がります。
逆説的ですが、毎年、配当を継続して、増配を続けていながら、株価が
大きく上昇していない銘柄は、あるいは、株価の上昇率が低い会社は、事業
が安定的ですが、成長力が小さい、という事でもあります。
「テンバガー」を実現する会社は、どういう会社なのか、という時に「配当」
の事が必ず話題になりますが、「テンバガー」という株価の成長に関しては
「配当」ではなく「事業の成長性」の方が大きな影響を持つという事です。
「長年配当を継続している」「数年継続して増配している」という会社で、
株価の上昇が緩やかな銘柄には、流通性、成長性などに問題がある会社が
多いと考えています。
■緩やかなインフレが続けば、時間さえかければ、多くの会社は「テンバガー」
を実現することができると考えています。
20年、30年という時間をかければ緩やかな成長でも少しづつは株価が上昇する
からです。
投資家にとって、好ましいことは、この株価上昇が短期間で実現する事
です。
「配当金」と「成長率」は相矛盾する要素なのです。