代表中野を嗤え「金利とは何か」(2024.05.30)

「為替変動や株式市場でその背景として「金利」が語られることが
多くあります。
「金利」とは何でしょうか。
「金利」とは「お金」の値段の事です。」

■「金利」は債券価格のように「値段」で、表示されることもありますが
多くは「%」などの表示で行われます。

普段の生活ではあまり使われない「%」という表示ですので、なんとも
なじみが少ないのだと考えます。

しかし、「金利」は「お金」の値段です。
普通の「モノ」や「サービス」と同様、需給関係によって、本来決定
される代物です。

経済が好調になり、「モノ」や「サービス」が社会に豊富に供給される
ようになると、「モノ」や「サービス」を提供する会社は、設備を
増強したり、増産をしたりします。

その時には「お金」が必要となります。

つまり、「お金」の需要が拡大するわけです。

「お金」の供給は急速には増えませんから、当然、需要と供給のバランス
が「需要過多」となり、「お金」の「値段」が上がります。

これが経済が好調な時に起こる「金利」の現象です。

■経済が好調でも「金利」が上昇しないこともあります。

それはすでに「お金」が「供給過剰」であり、退蔵されている(内部留保
が厚くなったり、タンス預金になったり)時です。

日本は1990年代から長く続いた金融機関の機能不全により、「お金」を
、巡る「市場」が十分に機能しなかったことが原因です。
需要があっても供給しない、中央銀行が供給を促進しても、供給が増えない。
また需要側も、金融機関に対する不信感が増加して、金融システムを
利用せずに自賄で行う傾向が強くなりました。

そのため、日本経済は長く低迷を余儀なくされたのです。

日本における「金利」=「お金」の値段が不当に安価になっている=低金利
になっている背景は、長く継続した金融市場の不全にあります。

■「お金」の値段は「モノ」や「サービス」を提供する事業の「利益率」
で決まります。

利益率に比して、「お金」の値段が安ければ「お金」は需要が増えるはずです。
逆に利益率に比して「お金」の値段が高ければ需要は減少します。

「お金」に関する市場環境が適正であれば、経済が活況になれば「金利」
は上がり、不況になれば「金利」が下がるのが通常となります。
政府や中央銀行は、その「お金」の需給関係を見定めながら「金利」水準を
変化させるのが当然の動きとなります。

■アメリカの株式市場では「経済の好調」と「金利引き下げ」がシナリオとして
相場を動かしています。

相矛盾するこの「シナリオ」はどちらかに傾くと考えています。

合理的に考えて不自然な状態はやはり是正されると考えていたほうがいいのです。