「昨日の続き」
■コロナパンデミックで世界中の金利が下落し、市中に資金がばらまかれた後、
世界の株価は上昇しました。
アメリカで欧州で、日本で株価が上昇を開始し、その勢いはアメリカでは2022年
まで続き、日本では2021年3t期まで継続しました。
欧州やアメリカと異なり、日本では、拠出された財政支出は、「インフレ」には
つながりませんでした。
そのため、物価はわずかな上昇だけで推移しました。
日本銀行は、コロナパンデミックの収束が確認されてから、「マイナス金利」を
解除し、政策金利をプラスにしました。
日本に金利がある世界が再来したのです。
この間、欧州やアメリカでは「インフレ」が継続しています。
欧州では、ロシアによるウクライナ戦争の影響で資源価格が上昇し、「インフレ」
を加速させました。
コロナ前から「ゼロ金利」を継続していたように、欧州経済は決して好調では
ありません。
経済が不調の中で「インフレ」が到来して、やむなく「金利引き上げ」を行わざる
を得なかった苦渋の選択が欧州です。
そのため株式市場は、現状は上昇していますがアメリカや日本ほどではありません。
■アメリカは「インフレ」を抑制するために金利を引き上げました。
アメリカに集中している世界の投機資金は、「インフレ」に対抗できる金融商品を
模索しました。
それが、「急成長」が期待できる「グロース銘柄」である「ハイテクジャイアント」
です。
世界の投機資金の株式のポートフォリオは、「マグニフィセント7」と呼ばれたこれ
らの銘柄に偏っています。
さて、アメリカの金利がいよいよ低下する、「インフレ」の終息がはじまるとき
には、今までのポートフォリオ構築を見直さなくてはならないのです。
「グロース」にバイアスを置きすぎたポートフォリオを「バリュー」も含めた
形に修正する必要があります。
とはいえ、成長著しい「生成AI」関係銘柄をどうするかは課題です。
これからアメリカは金利の変化に伴い株式市場のポートフォリオ変更の大きな転換
が起きると考えています。
■日本は、アメリカや欧州の影響でようやく「インフレ」が少し生まれました。
長く継続した「デフレマインド」がようやく解消に向かいそうです。
「デフレマインド」が消滅するまで金利を上げるなという主張が市場にはあります。
しかし、日本銀行は、「金利」がある世界を生み出すことで「デフレマインド」
を焼失させようとしているのだと考えます。
日本の金利が経済状況を無視して上昇するという事はあり得ないと考えます。
経済の好調さを確認することで、株価も金利も上昇が始まると考えています。
経済状況の確認は、9月の半期決算が起点だと考えています。