「2025年は、日本企業にとってどんな年になるのでしょうか?
政治的な思惑、地政学リスクなどがいまだ存在する中、確実なことが
あります。
それはM&Aによる敵対的・友好的いずれであれ企業の統廃合が進む
という事です。」
■1988年、当時の世界的大企業(今でも大企業ですが・・)アメリカの
「RJRナビスコ」が敵対的買収のターゲットになりました。
アメリカの名だたる「プライベートバンク」がすべて参加したこの買収
案件は結局「KKR]を代表とする買収団の勝利に終わりました。
その後、「RJRナビスコ」は様々に解体され、主要企業に特化して、今日
につながっています。
当時のこの買収案件は「Rarbarians at the Gate」という本になり、テレビや
映画でも評判となりました。
■投資資金の増加は、企業の製法と同じような速度で起こります。
投資資金の増加は、より効率的な企業、事業展開を求めて案件を物色します。
投資資金は「プライベートバンク」だけが担うものではありません。
事業会社にも投資資金は集まっています。
とりわけ、日本では、内部留保がたまりすぎており、この資金の有効活用が
日本企業全体の課題ともなっています。
昨年末からその兆しは出ています。
「nidec」による「牧野フライス」への敵対的TOB案件、「太陽グループ」と
「DIC」の統合案件、「富士通ゼネラル」の「パロマ」への売却案件などなど
相次いでいます。
企業うが単独で進める案件もありますが、経産省の肝いりで進める案件も
あります。
経産省が出てくるということは、国を挙げて、この産業の整理統廃合を進めたい
という事だと考えるべきです。
■「セブンアンドアイ」に対するカナダの会社からの買収案件が昨年は騒がれました
が、今年は、同様の案件が相次いでくると想定しています。
その過程で日本市場はさらに成長を加速させます。
買収されないような効率的な事業運営を目指す、内部留保の活用を考える方向に
一斉に動き出すからです。
日本市場の今年は、この動きによりより活性化します。
トランプ新政権の政策にばかり気をもんでいるわけにはいかないと思います。