「海外からの買収脅威にさらされていた「セブン&アイ」が、MBO
を行う事でこの危機を乗り切ることを決めたようです。」
■「セブン&アイ」がカナダのクシュタール社から買収提案を受けたのは
今年の夏の事です。
6兆円とも7兆円とも言われた買収金額は、海外から見ると「円安」の
影響で、割安に見えたことだと思います。
買われようとしている日本側とすると、「伊藤オーナー」からすると
何とも歯がゆく悔しいことだったと思います。
自身が戦後育て上げた企業が、海外企業に「二束三文」でたたき売られるような
そんな気がしたのかもしれません。
対抗する手段はないのか・・・
■「ドルベース」では割安といえども、日本円としては、6兆円7兆円という
資金は巨額です。
如何に、伊藤オーナーが功成り名を遂げて資産があるとしてもこの金額は
容易ではありません。
かくして、水面下でメインバンクの三井住友銀行をはじめ、各銀行としても
海外の提案に対抗するために必要な金額(おそらく9兆円以上)を集めるには
銀行以外にも、事業投資家(例えばいくつかの総合商社)の参加も必要です。
■さて、ここで問題が出ます。コンビニ業界でいえば、ローソンは三菱商事、
ファミリーマートは伊藤忠商事が株主としても支援をしています。
銀行もまちまちです。
それらの関係者が連合して、「セブン&アイ」のMBO→非上場化に走ると
すると、案件成立後の小売業界の勢力図が大きく書き換えられる可能性が
高くなります。
ライバルであるローソン、ファミリーマートとセブンイレブンのすみわけ
はどうするのか、差別化は、独立性は等という課題です。
いずれにしても、第二次大戦後勃興してきた小売業界の再編が課題です。
すでに、小売業界では社会の変化に伴い再編が進んできました。
「ダイエー」「そごう」が買収され、また、「百貨店」という業態までも
革新を迫られています。
「総合スーパー」という業態が次に再編革新する時期が来たのだと考えて
います。
コンビニも次に革新が到来するのだと思います。
■常に日本では「黒船」来航で変化と革新がおきます。
今回の「セブン&アイ」のMBOは極めて日本的な反応なのだと考えています。