「20世紀のバブルの頃、個別銘柄取引では、あまり儲からないとぼやく
投資家の中に、「日経平均」が投資できたらいいのに・・という声が
多く上がっていました。
当時は、DX化も進んでおらず、仕組みとして実現することができませんでした。」
■「日経平均」は上昇しているのに、自分の持ち株は上がらない、そんな
個人投資家の不満は昔から多くありました。
指標としての「日経平均」を売買できたらという、概念は、コンピューター
システムの進化により実現することが出来ました。
市場の状況を様々な指数化して表すという事は、日本だけでなく、世界中で
行われています。
とりわけ「株式取引先進国」のアメリカでは、「ダウ平均」「ナスダック」
「ナスダック100」「ラッセル2000」「S&P500」「SOX指数」など様々にあります。
其のすべてがETFになり、オプション取引の対象となり、先物取引の対象
になっています。
そのことが、それぞれの市場で、現物売買を増加させ、市場の厚みを付けました。
株式市場の健全性を担保するためには取引量の「多さ」は極めて重要です。
それを担保するための株式市場での「指数化」とその取引商品化は促進する
方向は間違いありません。
■日本市場でも市場再編を起点として、各指標の表示が始まりました。
しかし、その「商品化」はまだ大きくは進んでいません。
圧倒的に「日経平均」の存在感が大きく、それに続いて、東証プライム市場上場
全銘柄を構成銘柄とした「TOPIX」が「ETF」なども作られています。
しかし、「TOPIX」は「プライム市場上場全銘柄」で構成されるという事で、いささか
株式市場の全体の方向性を示しているとは言えません。
プライム市場に上場している銘柄でも流動性が小さかったり、時価総額が少ない銘柄が
多いからです。
ようやく2026年をめどにして、「TOPIX」の構成銘柄の見直しが検討されています。
基準は「時価総額」です。
「時価総額」の大きさは、投資家の注目度を示しており、会社の事業に魅力が
有れば投資家は集まり、時価総額が増加するからです。
例えばアメリカではナスダック上場銘柄やニューヨーク証券取引所上場銘柄など
さまざまな取引所上場銘柄で構成される指数が多くあります。
株式市場全体の方向性を示すには「上場市場」で区別することができないからです。
■日本でもいよいよそういうタイミングが到来します。
スタンダード市場上場であれ、グロース市場上場であれ、事業の将来性が魅力
があり、投資家の注目を集めて時価総額が増加すれば、「TOPIX」に採用される
のです。
「時価総額」が大きな投資の基準になるのです。