「昨日のニューヨーク市場は三指数まちまちの動きでした。銘柄数の少ない
ダウ平均は小幅に上昇、ナスダックとS&P500指数は小幅に下落でした。
日本株は、大幅安から始まり、次第に戻し、小幅安で終了しました。
果たして、調整は終了したのでしょうか。」
■ニューヨーク市場をけん引してきた「エヌヴィデア」は、昨日も調整局面
継続です。新しい材料がなく、調整局面は継続すると考えています。
現地時間の12日2月のCPIが開示されます。
「金利引き下げ」に対する思惑の変化が出なければ、アメリカ市場も調整局面
が継続すると想定しています。
日米ともに、材料難の状況です。
■日本市場は、寄り付きから売り先行、次第に「押し目買い」が入り戻し、
引けは、前日比小幅安で終了しました。
「陽線」で終了したことで、一安心した投資家も多いと考えています。
3月は、短期海外勢の利益確定売り、日本年金機構(GPIF)によるリバランスの
売り、国内投資信託などによる決算利益確定の売り、などが想定されています。
買い迎える資金は、三月末の配当に見合う再投資等しかありません。
「増配」「分割」「自己株買い」などの資本政策の新たな材料が出てこない限り
下支え要因は多くありません。
また、損保などに対する「政策保有株」の売却命令も効いてきます。
期末である程度成果を出さなければならないからです。
さて、それらの事情を考えると、この相場の下落の中で、売買代金が、あまり
膨らんでいません。
相当に増加している売りに対して、それらを消化する買いが入るとしても、この
出来高では、売りが消化されたとは到底想定できないと考えます。
■「もう」は「まだ」です。
少なくとも、まだ、相当量の売り玉を市場はこなしていかなければなりません。
個別企業の「好材料」が出てくるとしても、下支えできるかどうかです。
株価水準が急速に上昇しており、「急速」だっただけに「調整」が長引くのは
致し方が無いと考えるべきです。
本日は売り方が、一気に株価を崩してまで売却をしないという「忖度」が
感じられます。
つまり、売り方も自身の「利益確定」を有利に最大にしたいからです。
■調整には「値幅」と「時間」と両方あります。
売り方の需要を賄うために、短時間で完了しようとすれば、「値幅」で、調整
が進み、時間に余裕があれば「時間」で、調整が進む、という事です。
相場的には、「時間」の経過で調整が進むこと(株価があまり動かない状態が
継続されることです)が好ましいと考えています。
しかし、売り方の締め切りは「年度末」です。
あと二週間です。
「もう」は「まだ」なりです。
利益を確定して投資資金が手元にあるからと言って、慌てて、買いに走っても
あまりいいことは無いと考えている次第です。