市場の目「せめぎ合い」(2025.08.05)

「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに大幅反騰。週末の雇用統計
ショックからの下落に対して、債券市場が、反応し、債券高=金利低下
を想定してのものです。

日本市場は、アメリカに追随して、反発しています。」

■雇用が減少すれば、失業率が上昇し、景気後退が鮮明になります。

アメリカの雇用統計では、修正前でも、前月比の増加率が1%を割り込んで
来ました。
統計数字の改定は、この動きをより鮮明にしたものです。
同様に、失業率は、4.2%でしたが、この数字も、実質は、4.6%と極めて
高い数字です。
高い数字ですが、季節調整を加えて、4.2%に収れんさせています。
つまり、9月に開示される8月の雇用統計では、失業率の上昇も、鮮明に
なります。

景気後退は、株式市場にとりマイナスです。
株価水準も下がります。
しかし、金利低下は、景気後退を下支えします。

アメリカで短期間に起きた、株式の下落と、反騰は、この景気後退と
金利低下期待が、せめぎ合いをしている状態だと考えています。

とはいえ、現在開示が進んでいるアメリカの企業決算は、極めて好調です。
目がハイテクを中心とした、データセンター向け投資の好影響は、広がり
を見せています。

ではなぜ雇用が減少し、失業率が上がるのか?

おそらく、ハイテク企業の投資には、さほどの労働者が必要ではなく、
建設労働者や、製造業労働者、公務員などの既存業種が、雇用の受け皿に
なっていないことが原因だと想定しています。

アメリカの夏は、このせめぎ合いが繰り返すと想定しています。

■日本市場は、この動きに追随します。

個別企業の決算などの材料、金利動向が日本でも注目されます。