「昨日のニューヨーク市場は三指数まちまちの動きですが、いずれも小幅です。
「景気好調」「ノーランデイング」「金利引き下げ」という株式市場にとって
都合のいいシナリオで、ここまで上昇してきましたが、どうも何かが違う、
という感覚に陥っているのかもしれません。
日本市場は「謎の上昇」です。」
■昨日FRBのパウエル議長が講演をしています。
いつもながらの慎重なコメントです。「インフレが鎮静化していく方向にある」
事を確認してからでも金利引き下げ(景気が好調であるため)は遅くはない、
というコメントでした。
アメリカ十年国債金利は上昇し、「金利引き下げ近し」と期待された年初からは
50BPも金利が上昇しています。
少なくとも債券市場では、アメリカの金利が下がるという事を信じていないと
いう事です。
アメリカの短期の投機資金は、目先で投機先を探しています。
石油先物、金先物に向っているのではないでしょうか。
しかし、これ等の市場では、短期で反対売買を行わざるを得ず、吸収できる資金
量も限定的です。
そんな資金が本日は日本市場へ突撃してきたのではないかと疑っています。
■日本市場は、「謎の上昇」です。
この大幅上昇に比して、値上がり銘柄数が少なく値下がり銘柄数が多くあります。
中長期的な見通しがあって、先物で、けん引しようと目論んだものではないと
想定しています。
仕掛けてみて、ついてくる投資家が続けばそれでよし、という観が強くあります。
日経平均が月曜日に形成した「はらみ足(ラッパ足)」は伊達ではないと考えて
います。
「はらみ足(ラッパ足)」は、相場を上昇させるエネルギーが枯渇したことを
示す形です。
3月8日にも形成しましたが、わずかな日数で否定するかのように、日経平均は
上昇しました。
しかし、ひと月経過しないうちに再び「はらみ足(ラッパ足)」を形成しています。
これは市場が、「調整期間」が必要だと叫んでいる証左だと考えています。
■日本市場は、景気の好転期待を背景にして、株価上昇を続けてきました。
その背景は個別企業の「増益」です。
しかし、現状ではそれは「市場の期待」にしかすぎません。
決算開示まで、時間があれば「期待」は醸成されますが、すでに4月後半には、答え合わせ
の「決算開示」が始まります。
市場は、「答え合わせ」を待っていると考えています。
本日急騰しているソシオネクスト(6526)は、証券会社の強気のレポートで株価が
急伸しています。
あるいは、日経平均構成銘柄に採用された同社株は、指数をけん引するための道具として
使われているのかもしれません。
同社の決算開示は、4月26日に予定されています。
底まで待てば「答え合わせ」は簡単にできます。投資するのは、それからでも間に合うと
考えています。
「ちょっと待てよ!」(いささか古いですがキムタク風に)叫びたいところです。