市場の目「インド市場の下落」(2024.06.05)

「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに小幅な上昇。「景気の悪化」
が「金利低下」を招くという期待感が背景ですが、さすがに、「景気の悪化」
速度が加速してくると、株価の無邪気な上昇が起こるとは想定できないと
考えています。

アメリカもいよいよ転換の時期です。

日本市場は、投機筋が跋扈しているようです。腰の据わった投資が見当たらず
「八方ふさがり」的な動きだと考えます。」

■インドSESSEX指数が選挙結果を受けて大きく下落しました。
週足で見ると大きな「ラッパ足」です。
しばらく調整が必要なチャートです。

ニューヨーク市場では、製造業景況感指数が市場予想を下回り、景況感の
抗体が鮮明になりつつあります。
これから開示される雇用統計などの数字に注目です。
「失業率」が徐々に上昇を続けています。まだ3%台ですが、4%に乗せてくると
「金利引き下げ」どころか深刻な「景気後退」を懸念する水準となります。

ニューヨーク市場で、株式などから資金がMMFへ大量に移動しているという
事は、すでに、ネズミが船から逃げ出しているのと同じ現象かもしれません。

■日本は開示される経済指標があまりよくありません。
GDPは2023年の好調さに比較して、2024年は低調に推移しています。
自動車の製造規制などが理由とされていますが、昨年ほどの回復の勢いが
削がれているのは事実です。

という事は、「金利を引き上げる」どころではないという事です。

アメリカの景気低迷を受けて「円高」へ転換もしています。

実質賃金も4月は連続マイナスを継続しました。

なんとも「八方ふさがり」です。

■日銀の金利引き上げは、いずれにしても時宜を得てないと考えます。
賃金に関しては、4月ではまだ反映されないことが多く、また、確実に「インフレ率」
との差は縮まっています。

「ファーストリテイリング」や「ユナイテッドアローズ」など個人消費を代表とする
会社の業績は順調です。

■本日の市場では、短期投資家と思しき売買が跋扈して相場の変動要因となり
ました。

投機筋の「お金」は、停滞が許されない「お金」です。
常に動いていなければ死んでしまう「マグロ」や「サメ」と同じです。

「八方ふさがり」で、方向性が定まらない時は、本日のような、理由なき下落
と理由なき反発が繰り返されることがあります。

インド市場の暴落も心理的には重荷です。

ポジションをなるべく減らして落ち着きを待つのが得策だと考えています。