「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに小幅下落。上伸したものの
続かず、失速した形です。
あまりいい形ではありません。
日本市場は「売り飽き」からか、買戻しや押し目買いと思しき買いが入り、
多少戻しました。
しかし、大勢には変化はありません。」
■ニューヨーク市場は、経済の現実と経済指標、FRB高官の発言などが
錯綜しており、方向感が出ていません。
経済実態は次第に悪化していると想定していますが、指標面では明確な
兆しが見えていません。
顰蹙を買いそうですが、あたかも、重病であることを知らされないで、
元気を装っている末期がん患者のようです。
株式市場を活気づけるのは、①業績②金利です。
市場をけん引してきたハイテク各社の決算が次々と開示されてきます。
好調であれば下支えが入ります。
FRBの金利引き下げの方向性も明確にしてほしいところです。
新規住宅着工件数が減少し、クレジットカードの延滞率が上昇し、
ノンバンクのローン金利は急騰しています。
雇用統計は強い数字が出ていますが、ダブルワーカー、トリプルワーカー
等移民を中心とした雇用の増加であると推定されます。
景気のわずかな後退で、失業者が急速に増える可能性があります。
移民の増加によりアメリカの経済成長は2%ほど押し上げられているとされて
います。
しかし、移民の多さに、民主党も共和党も辟易しており、大統領選挙では、
移民の規制が政策の中心の一つとなります。
経済を成長させてきた要因を自ら排除するわけです。
持続的な経済成長はどうなるのでしょうか。
とまあ、アメリカ経済とニューヨーク市場は懸念が盛りだくさんです。
■日本市場には救いがあります。
アメリカで始まる決算は第一四半期決算ですが、日本で始まるのは通期決算
です。
今期見通しも開示されると考えています。
肝心なのは、市場が期待しすぎて株価水準を上げすぎた銘柄に対する評価です。
すでに、半導体関連銘柄などでは、株価の下落が始まっていますが、決算で
加速するのか、反転するのか、極めて注目です。
半導体関連銘柄の日経平均に占める比重が大きく、指数全体へ影響が大だから
です。
待つしかないのが辛いところではあります。