「昨日のニューヨーク市場は、三指数ともに上昇。週末に起きた「トランプ狙撃事件」
で、大統領選挙における「トランプ候補」有利が禍k呈したとの見方が強く、市場
は、一気に「トランプ大統領」就任後を読み込んだ前倒しのラリーが始まった
感があります。
日本市場は、材料難。週末に下落した相場の自律反発というところだと思います。」
■「トランプラリー」は、トランプの政策による「勝ち組」と「負け組」の鮮明化
で進んでいます。
幾分違和感がある選別です。
「負け組」再生エネルギー関連、太陽光など、民主党肝入りで進めていた、脱炭素
関連プロジェクトに関する事業全般
「勝ち組」金融、ネットなど規制が成されている業種、石油、天然ガス業界など
とされています。
しかし現実的には、大型株よりは中小型株、ハイテクよりは景気敏感株が、動いていると
考えます。
トランプ政権が出来たとして取りうる政策から導かれる業種としては、幾分違和感
もあります。
とりわけ、景気が良くなるとして、景気敏感株や小型株の方が上昇が大きいのは
違うのではないかと考えます。
減税が成される、法人税の減税が恒久化される、という事がそのまま、景気の拡大に
つながるとは想定できないからです。
むしろ、財政の逼迫を招き、金利の上昇を招くのではないか、それは、小型株により
マイナスの影響が出るのではないか、そう考えるからです。
また、トランプに代表される共和党が政権をとっつたとして、取りうる政策には
実はかなり限界があるのではないか、とも考えています。
なにより、トランプ候補が標榜している「ドル安」誘導は、気持ちはわかりますが、「
実現は厳しいと考えるからです。
共和党、トランプ候補としても「ドル高」がアメリカ経済を痛めつけていることは
百も承知です。
しかし、その原因は「投機筋」や「金利差」ではなく、根本的には「インターネット」
という「サイバー空間」の支配権をアメリカ企業が独占しているという事にあります。
ハイテク企業への規制が緩和され、ますます、影響力を世界に行使するとすれば、
「ドル」に流れ込む資金は世界中からさらに加速します。
「ドル高」にならざるを得ないのです。
現実的にはアメリカは大統領選を経て、さらに厳しい現実を突きつけられることに
なると想定しています。
■日本市場は、自律反発です。
アメリカ市場でSOX指数も上昇していますが、景気敏感株よりは上昇率が低く、
ハイテク銘柄からの銘柄シフトが起きているとも想定されています。
日本でも遅ればせながらその動きが入ると想定しています。
いずれにしても「前倒しトランプラリー」の影響は、日本では、加速しないのでは
ないかとも考えています。
日米の状況が異なりますし、第一四半期の日本企業はまだ、慎重な「ガイダンス」
しか提示して来ない可能性が高いからです。
半期決算が中心のアメリカとは少し異なります。
簡単に方向性が見えてくることはないのではないか、そう考えています。