市場の目「パウエル議長のコメント」(2024.09.19)

「昨日のニューヨーク三指数は、小幅に下落しました。FOMCによる
金利引き下げが「0.5%」とされ、その後のパウエル議長の強気の
発言が、思惑を吹き飛ばしたのかもしれません。

日本市場は、思惑外れの投機筋の買戻しで急伸しました。」

■アメリカは事前のアナウンス通りの「0.5%」の金利引き下げでした。

FOMC後のパウエル議長の発言は明確でした。
①インフレの終息は明確である。
②景気の持続的好調を維持するために金利を引き下げた。
③とはいえ、経済環境により、連続して傾向的に金利引き下げを継続する
訳ではない。
④FRBは「後追い」をしていないし、今後も景気動向を「後追い」するよう
な政策は取らない。

極めて明快なコメントです。
景気が予想外に好調なのに金利を下げるという政策をとることで、やや矛盾
を感じるコメンテーターもいます。
しかし、FRBはある意味経済の「インサイダー」です。
市場関係者には知りえない情報の集積があるのだと考えています。

パウエル議長の発言により、思惑で先行して買われていたアメリカの国債
が「材料出尽くし」で売られ、金利が上がりました。

債券金利が上がり、政策金利が下がるという矛盾した動きですが、相場は
常に行き過ぎるという事を考えると説明が出来そうです。

■日本市場は、「材料出尽くし」による買戻しなどの反対売買で、一斉に
買われました。
「円ドル」は「ドル」の買戻しへ、日本株は「売り崩し」ていたポジションを
一斉に買い戻すことになったようです。

この動きが継続するかどうかは、明日の日本銀行植田総裁の会見にかかっています。

パウエル議長は市場に配慮した極めて「市場フレンドリー」な会見でした。
植田総裁が、市場フレンドリーな対応ができるかどうか、で、来週の相場が
決まります。

何とかうまく過ぎてほしいと考える次第です。