市場の目「仕掛けの空振り」(2024.05.29)

「昨日のニューヨーク市場は三指数まちまちの動き。ダウ平均は安く、
S&P500、ナスダックは上昇でした。

エヌヴィデアが組み入れられているかどうかの違いではないでしょうか。

日本市場はエヌヴィデア上昇を受けて寄り付きから仕掛けが入りました。
しかし、日本の半導体関連株の上値が重く、もろくも仕掛けは空振り
に終わった感があります。」

■昨日はエヌヴィデアとテスラの取引関係強化の情報が流れ、AIチップ
脳冷気がさらに伸びるのではないか、という市場の思惑で、エヌヴィデア
株が上伸しました。

また連動してアーム株など関連銘柄も上伸しています。

しかし特段新しい材料が出てきたわけではありません。

来月のFOMCで、金利引き下げが実現するか否か、が関心ですが、
少なくとも、「金利引き上げ」が無いという事は共通認識となっています。

材料が少ない中、アメリカ市場も、上値模索の動きより模様眺めで、横ばい
が続くと考えたほうがいいかもしれません。

■日本市場はエヌヴィデアと関連半導体銘柄の上昇を受けて、「仕掛け」
と思しき先物の買い注文が寄り付きで大量に入りました。

毎回のシナリオですが、先物で水準を上げ、半導体株の現物を買い上げる
という仕組みですが、半導体株の方が、想定通り動きません。
そのため、日経平均は次第に下落幅を大きくして終了しています。

売買代金は4兆3千億円とやや閑散です。

日本市場に現在参加している投資家の多くは、デイトレードが中心と想定
されます。
動きがみられる銘柄に殺到して、分単位で反対売買を行うという手法が
大半ではないかと考えています。
そのため、動いているときはいいのですが、相場を長く継続させる力が
有りません。

また、物食範囲も拡大傾向となり、投資資金が散漫となります。

■今週末にはモルガンスタンレーの大量クロスが予定されています。
銘柄入れ替えに伴うものですが、市場全体には大きな影響はないと考えています。

6月の株主総会までに何らかの資本政策を出してくる会社があると想定して
います。
6月は株主総会が終了した後の配当の再投資が注目です。