「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに上昇。10年国債金利が4.3%
を下回るなど金利低下が著しく、高PER銘柄が多いナスダックが最も
好影響を受け、次いでS&P500、ダウ平均は影響が最も小さくなりました。
日本市場は、ボックス圏の動きです。
似たような値幅で推移しています。」
■ニューヨーク市場では、FOMCのブラックアウト期間のため、FRB高官
などの関係者の発言は市場に出てきません。
経済統計の数字が、アメリカ経済の停滞を示唆しており、債券投資家は
先行して、債券を買い上げたと考えます。
景気の停滞、とりわけ、個人消費の落ち込みが懸念されており、景気敏感
銘柄が多いダウ平均は上昇幅が小さくなりました。
■日本銀行の政策決定会合が来週開催されます。
「金利引き上げ」を期待した海外投資家の買いで乱高下した金融株ですが
日銀幹部の「ハト派発言」により収束してきました。
日本的な着地点です。つまり、「景気動向から見て金利は上げる状況ではない
但し為替などの状況を見て適切に対応する」というものです。
日本人の好きな「玉虫色」のコメントです。
景気の後退を懸念する投資家には「低金利維持」を輸入物価上昇を懸念する
投資家には「為替の安定」を想定させるどちらともとれる内容です。
日本の経済統計は、内閣府が取りまとめており、幾分「大本営発表」的な
色彩があります。現段階では、「円安」による輸入インフレや各企業の「値上げ」
により、名目賃金の伸びが追い付かず、それを喧伝するマスコミの影響もあり
「消費」が低迷しています。
マスコミの無責任な喧伝が社会の「雰囲気」に大きな影響を与えていると
考えています。
しかし、消費が落ちており内需が低迷しているという割には、UNIQLOなどの
衣料品関係会社は好調な売り上げを開示しています。
外食産業も比較的に順調です。
印象とは異なり、確実に「消費」は回復しているのではないか、と考えています。
■「スコーピオン」という「黒船」が「レーザーテック(6920)」を脅迫して
います。
既に大量の空売りを実行している同社は、「レーザーテック」が「不正会計」を
行っているとして、会社側に公開質問状を提示しています。
事実であれば極めて重要な問題ですし、同社を監査している監査法人にも責任
があります。
また虚偽の決算開示を受け入れた日本証券取引所にも責任が生まれます。
何しろ大変な空売りで大儲けをした『強者」という触れ込みです。
会社側の対応は極めて難しいと思います。
「虚偽の開示」の認識が無ければ、「ないものを無い」と証明することは極めて
困難だからです。
世界中で「隙」を狙って仕掛けるこれら「空売り」投資家は、そもそも、
忖度も感情もありません。
有るのは怜悧な利益追求だけです。
落としどころをどうするのか、取引所、会社も含めて注目しています。