市場の目「大統領就任式」(2025.01.21)

「昨日のニューヨーク市場はキング牧師の記念日で休場。
トランプ大統領の就任式後の「大統領令」発動を固唾をのんで
世界中が注目しているところです。」

■このコラムでも想定したように、「関税」の発動は、すぐには
おきませんでした .

トランプ新政権に支持者が期待しているのは、やはりインフレの
収束と「生活を楽にしてほしい」という素朴な希望です。
トランプ氏の意見は、
①インフレの原因はバイデン政権による財政支出の拡大により
マネーが市場に放出されすぎたこと。
②ロシアウクライナ戦争と、脱炭素社会実現のために石油や天然ガス
の価格が高止まりしている事
③ワシントンを中心にした「働かない官僚」が社会コストを押し上げ
ている事
④不法移民と不法薬物の流入で社会コストが上昇している事
だと考えているようです。

トランプ政権の最初の仕事はこの点を改善していくことにあります。

■まず、無駄なコストと考える組織や制度からの脱却を図ります。
コロナ禍で、中国よりの判断をして米国の敵となったと考えるWHOからの
脱退をまず、大統領令で行いました。

当然、「パリ協定」からの脱退も行いました。
ガソリンなどのコストを下げることを目的として、採掘の強化を支持
しています。
環境などへの配慮から止められていた風力発電施設の設置を加速させます。

要するに、潜在的にアメリカが保有している「供給力」を強化する事
により、「インフレ」を抑え込み、経済を活性化させるという事なのです。

どちらかというと「理念」先行の印象があった「民主党」に対して、
「現実的」な政策を売り物にしていくのがトランプ政権なのだと想定
しています。

■「関税」にフォーカスしていた投機筋は、「債券」の買戻しに走り
金利が低下しています。
金利が低下したため為替は「ドル安」に向かいました。

さて、日本市場では、手掛かりのニューヨーク市場が休場のため、動きが
とれなくなっています。

しかし、上記の、トランプ政権の当初の方針を考えるとおのずから方向性は
見えてくると思います。

慌てないことです。
相場はまだまだ続くのですから。