「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに上昇。関税延期の好影響を
最初に受けた日本市場の上昇の波が、最後にニューヨークに到達した
感があります。
日本市場は二週目の関税懸念で、上値が重い展開です。」
■トランプ大統領の「関税戦略」は、カナダとメキシコへの対応で、
どういう手順で、どのような結論に導きたいのかという手法が見えてきました。
アメリカのやりたいことに対して拳銃やナイフのように「関税」をちらつかせて
相手をテーブルにつかせることが第一目標、トランプ政権が求めることを
提供できれば、脅しは実行されない、という事です。
何しろ「関税」は、自らも大きく傷つける「自爆テロ」のような手段だからです。
中国に対しても、早く交渉のテーブルにつかせたい、という事なのだと思います。
中国にとって、EUとの貿易が円滑に進んでいない中、アメリカという大きな
輸出市場を失う事は習近平政権にとって致命傷になりかねません。
とはいえ「春節」で対応ができない時に一方的な要求をするとは「無礼な行為である」
という事で、準備してきた「対抗関税」を持ち出した、という事だと思います。
中国は機動性に賭ける政治体制です。
「春節」が終わり、大勢を整えてから、トランプ氏との会談に臨むと思います。
アメリカにとって、会談に出てこいという挨拶代わりの「関税」なのですから。
アメリカと中国の間の解決しなければならないことは、今回は「貿易」ではありません。
グリーンランドやパナマ運河に手を伸ばしてアメリカの安全を阻害しているという点
です。
中国にとっては、貿易問題よりは譲歩しやすいことかもしれません。
しかし、アメリカに屈した習近平氏の政治的権威は失墜します。
注目です。
■日本市場は、決算に資金が動きます。順調な回復を開示したトヨタは投資資金を
集めました。
決算数字が市場コンセンサスに届かないまでも上方修正した会社が多くあります。
株式の価値は何と言っても業績です。
決算開示はこれから佳境を迎えます。
日本銀行の「金利引き上げ」の脅迫、とトランプ政権による「関税脅迫」で、頭を
抑えられていますが、それを打ち破るのは、好決算以外ないのだと考えています。