市場の目「巻き戻しは続く」(2024.08.07)

「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに上昇。月曜に開示されたISM非製造業景況感指数が
想定を上回る伸び率であったことから大幅な景気後退への懸念が、薄らいだことが原因だと
考えています。

日本市場は、「ヘッジファンドの撤退戦」が続いています。」

■今週金曜日は「SQ」です。
既に7月の「SQ」値からは遠ざかっていますが、35000円台は、すべてのオプションや先物が
負けにはならないような微妙な水準でもあります。

今週は、この株価をどこまで上回れるかが目標になると思います。

当然、先週末と月曜日に先物を叩き売った「投機筋」の「買戻し」や「踏み上げ」もそろそろ
計算に入れてもいいかもしれません。

本日は日銀内田副総裁の発言が世界中で生中継されるほど注目されました。

7月31日の植田総裁の「タカ派発言」が本当なのかとの確認の意味を込めていたのだと思います。

■日本は「金利を上昇継続」できるほど経済が回復しているのか、「円安」プレッシャーに
負けての発言ではないのか、このまま金利を上げると再び「デフレ」に戻るのではないのか
という懸念で市場は「日銀の政策金利」が上昇したにもかかわらず、債券金利は下落するという
極めて異例の結果を示しています。

「経済の方向性」を判断するのは「中央銀行」や「政府」だけではなく「市場」にもその権利
があり、かつ「影響力」は市場の方が大きいのだ、という事を世界に知らしめました。

先週末からの株式市場の下げは債券市場の変調が大きな影響を与えていると考えます。

但し、植田総裁の「タカ派発言」は向けられた相手が別なところにあるような気もします。
「金融市場は不安定な中での金利引き上げは行わない」とする野田副総裁のコメントとの
相違はないと考えますが、中々に日本語やお役所言葉は難しいという事だと思います。

■ニューヨーク市場は、もう一度今後の経済をけん引してくれると期待されるハイテク銘柄
の決算に注目が集まります。

日本ではこの混乱の先にしか、決算が注目されませんが、開示される決算は悪い数字では
有りません。

株価の安いこのタイミングで自社株買いを表明する会社も増えています。

本腰を入れるには時期尚早ですが、現状の株価水準を見て「悲観」するようなこともないと
考えています。