「週末のニューヨーク市場は三指数ともに大幅下落。イランとイスラエルの
戦闘激化を懸念したものです。
週明けの先物市場では、戦闘激化の落ち着きで、三指数ともに上昇しています。
日本市場は、CME日経先物にサヤ寄せする形で大幅安で始まりました。
引けにかけては、買戻しが入り、290円安ですが高値引けとなっています。」
■ニューヨーク市場では、「信用買い残」が2021年以来の最高水準に増加して
います。そのため、ボラテイリテイが高まっていると考えています。
わずかな材料で極端な動きをします。
ダウ平均やナスダックの大幅な下落、大幅な上昇が起きているのは、この状況
が背景にあると考えています。
アメリカに流入している投資資金の量がこれまで想定してきたよりも格段に
増加していることが原因だと考えています。
日本からもNISA口座を通じてアメリカに流入しているではありませんか。
資金流入の増加速度が速すぎると、ひずみが起きます。
本来の「価値」の上昇以上の「期待値」の上昇が始まり、臨界点で、大きな
修正が入ります。
それはしかし、リーマンショック程の大きな下げにはならないと想定して
います。
リーマンショックの原因となった「サブプライムローン」という「仮想現実」
とそれによる金融商品の形成が、巨額のマネーを一瞬にしてと化してしまった
ような現象は見られないからです。
やはり、調整が必要であるという事だと考えています。
■日本市場では、電力会社や「ハイテク以外」の銘柄が動意づいています。
東京電力の新潟柏崎原発の再開が近い、という事が東京電力(9501)に対する
買いの背景です。また、データセンターの増設などで、電力消費量が増える
という事も材料になっているようです。
おかしなことで、「発電」や「発電に必要な」「原油や天然ガス」の値上がり、
「円安」などでのコスト増には目が行かないようです。
電力会社は「史上最高益」を記録する背景で「電力料金」を値上げしようと
しています。
国民感情として、受け入れられるかどうか、原子力発電所が再稼働して、発電
コストが下がるのであれば、電力料金引き下げという話が、政府から出てくる
のではないか、など、さまざまに懸念が浮かび上がります。
年寄りの心配事であればいいのですが、何事も、すべてがうまくいくという
事は多くはないからです。
■日本市場もまだ、大きく買う理由はありません。
しかし、利益が上がった個人投資家の「欲」は膨らんでいます。
そのために、少しでも動きそうな銘柄があると群がるように物色が入ります。
「いつか来た道」ではありますが、冷静でありたいと考える次第です。