「昨日のニューヨーク市場は三指数まちまちの動き。FOMCと5月のCPIの
想定以上の弱さを背景として、債券市場が上昇して金利を下げました。
金利低下でダウ平均は小幅下落、ナスダックとS&P500は史上最高値を
更新しています。
日本市場は明日の「メジャーSQ」を意識した攻防戦でした。
今回は「売り方」の勝ちです。」
■パウエルFRB議長は、現状の金融政策に関して、「金利引き上げ」を
行う状況ではないと明言しました。
そして、「年内1回」の金利引き下げの可能性としてコメントしています。
しかし、市場の投機筋は、景気の後退とインフレの鎮静化から「二回」
の引き下げを想定しています。
そのため、昨日のアメリカの債券市場は買い物が増加し、二年物金利を
はじめ、債券金利が急低下しています。
ナスダック市場やS&P500指数は好影響を受けました
債券が上昇した背景には、投機筋による「うがった見方」「年二回」の
金利引き下げを予想しているようです。
しかし、物理的に可能でしょうか。
FOMCの開催は7月9月11月12月のあと四回です。
大統領選挙が佳境になる中で、選挙戦に影響する金融政策の変更ができる
とは想定できません。
FRBは政治とは中立の機関ですが、政治とは無縁でいられるとは考えられない
からです。
大統領選挙は11月5日です。
FOMCの開催は選挙終了後の11月7日8日です。このタイミングでの「引き下げ」
が妥当なのではないでしょうか。
とはいえ、アメリカの金利が高いことは周知の事実です。
引き下げ時期が後ろ倒しされて、来年にずれ込んでいくという事ではないで
しょうか。
■日本市場は明日の「メジャーSQ」を意識した動きでした。
「買い方」が寄り付きから仕掛けましたが、今回は「売り方」の勝ち。
じり貧の展開となり、日経平均は小幅の下げとなりました。
アメリカでは生成AIを巡る動きが現状のシステムに実装していく段階に入っています。
ORACLEなどのシステム会社へ受注が増加しています。
エヌヴィデアだけがけん引する先端半導体市場以外にも、アプリの実装、基幹システム
への組み込みなどが始まったのだと考えます。
日本市場でも「先端半導体」だけに焦点が集まり、半導体製造装置関係会社に
注目が集まりましたが、アメリカの動向を見ると、その物色範囲は拡大していく
と考えています。
「チャットGPT」などの新しいシステムを現状のシステムに付加していく作業が
はじまるのです。
システムエンジニアの会社への需要が拡大するはずです。
昨年末から始まった「先端半導体」相場は、いよいよ次のステージに入るという
事だと考えています。