市場の目「投機筋の草刈り場」(2024.10.03)

「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに小動き。二日連続の小動きは
相場の転機を示しているかもしれません。

日本市場は、円安で急上昇。為替市場に連動した「ゼットコースター」
相場が続きます。
誠に投機筋にはおいしい相場ではあります。」

■アメリカのADP雇用情勢が開示され、強い数字が出ました。経済環境が
順調である事、FRBが最優先している「失業率」を押し下げる可能性が
高く、経済としては、歓迎できる内容です。

アメリカ経済は、順調に「ソフトランデイング」を目指していると考え
ますが、そのランデイング地点の金利水準は、市場が期待している
低い金利とは限りません。

経済が好調なだけに、「インフレ」が収まるとしても「緩やかなインフレ」
は続きます。
つまり、物価水準が、想定以上に高止まりして、「中立金利」自体の水準
を押し上げざるを得ないのではないか、そう考えています。

アメリカの金利は下がることが前提で、市場は動いていますが、堅調な
経済指標が出てくるにつれ、期待されるほどの低い金利にはならない
のではないでしょうか。

アメリカ株は、ソフトランデイングの位置を考える必要があります。

■日本市場は投機筋の草刈り場です。
日々、急騰と急落が繰り返します。
投機筋にとって、これほど楽しい市場があるでしょうか。
売買代金も昨日とほぼ同じ4兆2000億円程度です。実需の売買が入らない
入りにくい地合いの中で、投機筋は自由に跋扈できます。

石破総理と植田日銀総裁の会談で、「当面金利を上げられる環境ではないと
考えている」と発言したことが伝わり、「円安」になったことが背景では
あります。
石破総理としては、総選挙が終了するまでは、自身の「意見」を押さえて
市場宥和的な、人気が落ちないようなコメントを強いられていると思います。
石破総理の本性が出てくるのは、総選挙が終了した後、そして、「菅副総裁」
の体調が悪い時ではないでしょうか。

少なくとも年内は、市場宥和的な発言をする以外になく、株式市場は、
各企業の決算が好調なことを背景に水準を上げていけると考えています。

選挙期間中は少なくとも、市場にとっては安心な時期だと考えています。