「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに大幅上昇。CPIの数字が市場
想定を下回ったことから、債券金利が下がり、金利引き下げの期待感が
高まったことが理由です。
日本市場は、逆に、日本銀行の金利引き上げが1月にも起きるのではないか
という懸念で伸び悩んでいます。」
■雇用統計の数字が市場想定をはるかに上回ったことで、アメリカは金利の
「引き下げ」どころか「据え置き」から「引き上げ」になるのではないか、
そんな疑心暗鬼に取らわれていました。
債券金利は上昇し、株価は上値が限定的になるという状況でした。
雇用状況が好調=物価の上昇=インフレの再燃という図式が、想定されるからです。
CPI(消費者物価指数)の落ち着きで、「インフレ」再燃危機が和らいだ
事を市場が好感したものです。
しかし、よく考えると、アメリカ経済の裏側の混沌が見えてきます。
雇用統計で示された「新規雇用者数」の増加は、本当に景気の好調さを示して
いるのか、その動向はサービス業など一過性の雇用が多く、長期の雇用に
結びついていないのではないか。
消費者物価が下落しているのは、実は雇用の状況は好転してはおらず、経済構造は
揺らいでいるのではないか。
などと不安は大きくなります。
いずれにしても、中長期の機関投資家の市場参加が少ない中で、投機筋の
跋扈で、相場が動いています。
一喜一憂は無用ではないでしょうか。
■日本市場は、「アメリカが強かった」という以外に材料がありません。
「日本銀行が1月25日に金利を引き上げるかもしれない」という狼の声が裏側で
叫ばれている状況です。
日本市場も、アメリカ同様中長期の投資家は模様眺めを継続しているところです。
短期の海外の投機筋が利ザヤ稼ぎをするために様々なことを喧伝しているとおもいます。
それに乗るメデイアも多く存在するという事です。
方向性が出てくる来週まで待つことです。
トランプ大統領就任式は20日、日本銀行政策決定会合は24日です。
慌てずに待つことが正解だと考えています。