市場の目「指数がけん引する仕掛け」(2024.07.09)

「昨日のニューヨーク市場は、ダウ平均は下落、S&P500とナスダックは小幅
上昇でした。
今週開示されるCPI、PPIの開示と、パウエルFRB議長のコメント待ちです。

日本市場は、今年1月から3月と同じ先物がけん引する「SQ」目当ての「仕掛け」
で上昇しました。」

■アメリカの雇用統計、失業率の上昇は、明確なアメリカの経済の後退を示し
ています。
アメリカの債券市場では、10年債30年債などの金利低下が顕著になりつつあります。
金利の低下期待で、ナスダック、S&P500は堅調に推移しています。

しかし、景気の本格的停滞もしくは後退が明確になると、これ等の市場も無傷では
すみません。

景気の停滞は、「生成AI」などの社会実装化を遅らせる可能性があり、それは
現状アメリカ経済をけん引してくれるという期待感を喪失させる可能性があるからです。

景気停滞感は、また、アメリカの消費をけん引している高齢者層の財布の紐を
締める事にもなります。
株価の下落を懸念して、消費を差し控える可能性があるからです。

早ければ今月末のFOMC、遅くとも9月のFOMCで「金利引き下げ」のタイミングが到来する
と想定しています。

■日本市場は先物がけん引する「投機相場」です。
先物の中心が「日経平均」の指数であり、年初に起きたように、指数が買い上げられ、
指数に寄与度が大きな銘柄が現物でも買われます。

39000円台で「買う権利」を有していた「買い方」の攻勢が続きます。
当然「売り方」は次々と「買戻し」「踏み上げ」を行わざるを得ません。

そのため、さしたる材料がないまま日経平均が上昇し、採用銘柄の内、寄与度が大きい
銘柄から順に株価が上昇するという形になっています。

昨日は引けにかけてETFの配当取りの「売り」が出て反落しました。
明日も売りが出る可能性があります。

「SQ」の算出日は今週金曜日の寄り付きです。
つまり、勝負は木曜日の引けまでです。

3月以降、この仕掛けはことごとく失敗してきましたが、4カ月ぶりに指数を上昇させること
に成功しています。

いずれにしても木曜日までが一つの区切りだと考えています。

■上昇を継続している「三菱重工(7011)」「日立(6501)」などの銘柄群には、「逆指値
」でのリスクヘッジを忘れないようにしてください。