市場の目「日産」(2024.12.23)

「先週末のニューヨーク市場は、三指数ともに上伸。トリプルウィッチングも
あり、ニューヨーク市場なりの「掉尾の一振」だったのかもしれません。

日本市場は、先週下げた空売り筋が本日は「買戻し」というところでしょうか。」

■日本市場は海外投資家の参加が明らかに少なく、売買代金が減少しています。
日経平均は上昇していますが、半導体関連銘柄などの買い戻しがけん引している
と想定します。

特段買い上がる材料も見当たりません。

■本日、ホンダと日産の幹部が「経産省」を訪問し、統合に関して協議を始める
事を伝えています。

今回の統合話は、「経産省」が背後で動いていたと想定します。
「日産」の従業員数は多く、事業破綻に追い込むわけにはいきません。
「日本株式会社」としては、何としても、「日産」を復活させなければならない
のです。
三菱自動車は、おまけのようなものです。

ルノー保有株についても、「外交ルート」の活用はすでに動いていると想定します。
台湾の鴻海の話も、「経産省」が裏についていると聞かされれば、軽々には
動けないところです。

かくして、ホンダ、日産の統合の話が進むと想定していますが、日産が思い描いている
ような甘いシナリオにはならないと考えます。

日産が経営不振に陥り、存亡の危機を迎えるのは今回で3度目です。
前回は「ゴーン」氏という黒船の登場で、刮目を開きました。
日産の本質的な体質が、「優等生」の集まりで、「リーダーシップ」を発揮する人が
いない事、誰も「火中の栗」を拾う勇気がないことが、欠点です。

そのため、無駄な会社や組織が多く、反面、関連会社や下請けには過酷に対応します。

日産が現体制を維持できるような「持ち株会社」傘下の会社として残ると考える
には、再び危機に陥る懸念があります。

解体的統合以外に日産が復活する道はないのではないでしょうか。

ゴーン氏が語るように、いま日産は「パニック」に陥っていると思います。

その内容は、自分たち個人個人の立場や処遇がどうなるのか、というところでは
ないでしょうか。

まるで、秀吉に包囲された小田原北条氏のような状況かもしれません。

■統合の推移をみるほかありません。

しかし、それほど長い時間を市場は待ってくれないと考えているところです。