市場の目「日経平均4万円」(2024.07.02)

「昨日のニューヨーク市場は、三指数ともに上昇。アメリカでは建設支出
がマイナスとなり、製造業景況感指数も市場想定を下回りました。

国債金利は下落しましたが、次第に短期国債と10年国債の「逆ザヤ」が
収縮しています。

日本市場は、ETF関係の売りが一巡したあとは、配当金の再投資が復活
したと考えています。

久々の日経平均4万円越えです。」

■アメリカの景気はいよいよきしみ始めたと考えています。
景気下支えの中心である「建設支出」は住宅建設などの数字です。新規の建設
がマイナスに転じてくると、関連する「消費」の落ち込みが見通されます。

製造業の比率はすでにアメリカでは全体への影響は大きくはありませんが、
それでも連続しての停滞は市場の気分を重くします。

「景気好調」「金利低下」という株式市場の材料の「両輪」の一つが欠落する
からです。

アメリカの金利引き下げのタイミングが速まると想定しています。
それまで、ニューヨーク市場はもみ合いをつづけてもおかしくはないと考えます。

■日本市場は、前場までETFの配当支払いに伴う換金売りの影響が出ました。
前場中ごろより「売り方」の買戻し、「配当再投資」などにより、相場の上昇
に弾みがつきました。

先週末の百貨店二社の決算の好調さなどから内需の回復期待が大きくなっている
事が「買い」の勢いをつけていると考えます。

インフレ率を加味した賃上げ率がマイナスであるとしきりにマスコミは喧伝
しますが、「インフレ率」を加味して、人々は消費を決定しません。
「名目」を見て、「価格」を見て決定するのです。

これにより「値上げ」には歯止めがかかります。

また、以前コメントしたように、中小企業の賃上げは、「社会保険制度」の
関係から7月に始まることが多く、日本の個人消費は、今月以降、拡大していく
可能性が高いと考えています。

評判の悪い「定額減税」の規模は4兆円です。
これもじわじわと効いてくると想定しています。

■いずれにしても日経平均4万円は通過点です。

弱気になる必要はないと考えています。