「週末のニューヨーク市場は三指数ともに上昇。10年国債の金利が4.3%台から
4.1%台まで下落したことが下支えとなっています。
しかし、利益を生み出していないハイテク株や小型株に対する投資は、極めて
低調です。
アメリカの投資家は、意外と冷静である、という事ではないでしょうか。
日本市場は日経225先物がけん引して、ついに終値で40000円の大台を付けました。
年初の証券関係者の予想を裏切った形となっています。」
■日経平均先物がけん引した本日の上昇は、やはり、週末の「メジャーSQ」を
意識したものだと想定しています。
「40000円」のコールの売りポジションは、「インザマネー」となり、投資家は
買戻しを待つか損出しをするか、迫られます。
次のポジションが多い水準は40500円、そして41000円です。
先物で持ち上げられると、損失を回避するために買戻しが発生して、「踏み上げ」
が起こる、1月2月に起きたSQ前の動きです。
今週はこの動きが顕著になる可能性があります。
上値想定は、想定以上に突き抜けていく可能性があります。
■日経平均が、40000円の大台を超えましたが、値上がり銘柄値下がり銘柄の比率
は、圧倒的に「値下がり銘柄」の方が多くなっています。
そのため、本日はTOPIXはマイナスで終了しています。
日経平均をけん引する指数への影響力が大きい「値がさハイテク株」の上昇が
際立ちます。
さて、前述しましたように、先行しているアメリカの投資家は冷静です。
「値がさハイテク株」の多くは、アメリカのハイテク株と比較してPERが高く
買い進められています。
この状況は、日本の「値がさハイテク株」の来期の利益の拡大を想定してのもの
です。
しかし、現実の数字から計算すると、すでにアメリカと比較して割高になりつつ
あります。
つまり、どこかで、「足踏み」をして、利益の具体的な回復が確認できなければ
株価水準の訂正が必要になるという事です。
■今月に入り、通期見通しの上方修正、増配、分割、株主優待の見直しなどの
開示が多発することが想定されます。
PERの基本となる利益の増加が開示されてくれば、日本株の割安感が再燃します。
現在17倍近いPERが成長性を加味して、20倍(20倍でもアメリカと比較しすると
高くはありません)まで買われるとすれば50000円という数字の背中が見えてきます。
売りに回るにはリスクが高く、買い向かうには「高すぎる」と考えて勇気がない、
そういう投資家が増加しているのではないか、そう考えています。
「日経平均ベア投信」を買い付けて下げに賭けるのは、日経平均=値がさハイテク株
=半導体関連株≒エヌヴィデア株という図式の中では、いささか、大きな勇気が
必要だと考えています。