市場の目「日銀」(2025.01.15)

「昨日のニューヨーク市場は、ダウ平均とS&Pは上昇、ナスダックは
小幅下落という動きでした。
材料に乏しく、金利の方向性、トランプ新政権の方針などを憶測しながら
動くほかありません。

日本市場は同様に材料難で模様眺め気分が強い中、日銀総裁のコメント
を頼りに売り仕掛けが入りました。」

■トランプ新政権の方針が少しづつ小出しに見えています。しかし、明白
な方向性が見えているのは、「対中制裁」という事だけです。
「対中制裁」の先陣を切るのは、バイデン政権を引き継ぎ「先端半導体」
の輸出規制になります。

そのため、エヌビデアをはじめ半導体関連銘柄が売られています。

債券金利は高止まりしており、新興企業にとっては苦しい展開ではあります。
そのため、ナスダックは小安く、ダウとS&Pは高いという結果となりました。

■日本市場は、アメリカ以上に材料が見えません。
アメリカによる対中規制の協力で、日本の半導体関連銘柄は売り傾向が
止まりません。
日本においては半導体関連銘柄が下がれば、日経平均の下げにバイアスが
かかりますから、投機筋からすると仕掛けやすい所です。

売り仕掛けに絶好のタイミングの時に、プラスアルファの材料を日銀の
植田総裁の発言に求めました。
総裁発言は、先週来日銀関係者がコメントしている通り、24日25日の
政策決定会合で「金利引き上げに関して話し合う」ということの繰り返しです。

「話し合う」という事と「利上げ決定」には大きな乖離があります。

しかし投機筋からすれば、自分たちの仕掛けに利用できるのであれば、何でもいい
という事だと考えます。

根拠のない日本銀行の1月利上げです。

春闘が決着する3月か4月には利上げがあると考えますが、今月ではないと
想定しています。

■来週まで待つことができる投資家であれば、現状のような曖昧な状況での
投資は見送りが正解だとかんがえています。