「昨日のニューヨーク三指数は、三指数とも小幅に下落。
材料に乏しいことは日米ともに同じです。
日本市場は売り先行で始まるも後場から持ち直しています。
ポジション調整用のドレッシングかもしれません。」
■今晩開示のアメリカの物価指数が当面の注目ではあります。
「金利引き下げ」を材料としたアメリカの株高は、いずれにしても、そろそろ
終えんを迎えそうです。
バフェット氏が「市場はカジノ化している」と嘆いていますが、根拠のない
「強気」は、継続性が乏しいという事です。
先端半導体業界の実績数字が出てくれば、株価の下支えが出てきます。
期待しすぎてのフライング的な買いは、やはり「カジノ」的であると言わざる
を得ないのかもしれません。
■日経平均は、売りに押されましたが、堅調です。
株価はやや下げましたが、「陽線」です。来週の「メジャーSQ」へ向けての
ポジション構築が着々と進んでいるのではないでしょうか。
指数をけん引する値がさ銘柄の多くが、買われすぎで上値を追いづらいため、
市場では個別物色の流れが強まっています。
とはいえ、「材料」の中身はよく吟味すべきだと考えます。
イビデン(4062)が半導体工場の新設費用として、転換社債の起債を開示して
います。
株価は、「希薄化」を懸念して下がっているとコメンテーターは説明しています。
エクイテイファイナンスがあればすぐに「希薄化」と考えて「売り」になるのは
なんとも単純すぎると考えています。
同社の転換社債は金利がありません。株価が50%上昇して、その株価の維持期間を
越えなければ転換を進めることができません。
ある意味、当該債券に投資する投資家にとっては不利な条件です。
「不利」な条件を改善するためには、「転換価格」を引き下げて、速やかに行使が
進むような株価が求められます。
当該社債に投資をしようとする投資家から見れば、株式を先に売却して、転換
価格を引き下げておくことが必須ではないでしょうか。
株価が下がる本質はこちらにこそあると考えています。
■事程左様に、さまざまな「材料」が出た時に、一息於いて考えることが極めて
重要なのです。
「悪材料」は単純に「悪材料」とは言えず、「好材料」も同様です。
「脊髄反射」的に反応することが有効な投資とは言えないのです。
「生き馬の目を抜いた」と自己満足しているだけでは投資としては半人前以下です。