「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに小幅上昇。FOMCの結果を受けて
経済に対する「疑心暗鬼」がやや希薄化したことが原因だと考えます。
日本市場は、権利付き最終へ向けての動きです。」
■アメリカ市場は、「インフレ抑制」→「金融引き締め」からようやく
「金融緩和」→「雇用重視」へと転換しました。
「インフレ」が抑制されるけれども、経済は順調であり、「金利引き下げ」
と「経済堅調」が双方実現する「ソフトランデイング」が可能になった
期待感で、ニューヨーク三市場は出来高も多く推移しました。
とはいえ、アメリカが「金融引き締め」から「金融緩和」に転じるとき
には、表面上の理由だけで得心したはいけません。
背景には、景気後退の足音が潜んでいる可能性があります。
現在大統領選挙の渦中です。
本来であれば、政治に影響を与えるような、「金融政策」は、選挙後に
行うのが通例ですが、今回は、その通例を破る形で、選挙前に行いました。
どちらかの新大統領に恨まれる可能性があるリスクをあえて、FRBがとる
という事は、雇用の数字、住宅金利、など複数のFRBにしか開示されていない
インサイダー情報があるのだと考えています。
今のこのタイミングで行わなければ手遅れになる可能性がある、という
緊急性もあるいは含まれていた可能性があります。
アメリカ経済に対して、腰の入った方向性を見定めるのは、やはり、あと
一か月足らずに迫った大統領選挙後になると考えます。
■日本市場は、3月9月決算会社の配当権利確定の週です。
26日木曜日までの売買が権利付きとなります。
株価水準が、8月以降中途半端な戻り幅であり、大きく利益確定をするにも
権利取りを行うにも(一部の銘柄では明確な権利取りの動きがありますが)
やりにくい状況です。
そのため、売買代金も4兆円台前半と膨らみません。
とはいえ、日本銀行も「金利引き上げ」を目標としていますが、その実現
には相当の時間が必要であるとの日銀総裁のコメントが出て、また、その後
の市場でも、債券が買われるなど、「金利引き上げ」が遠のいた感があります。
日本株は、目先の権利関係の期日が通過すれば、意外に早く「@配当落ち」
を埋めに来るのではないでしょうか。
配当付で購入していた高配当銘柄の株は、週末に配当落ちした後、素早く
株価が上昇すると想定しています。
今週来週は、機敏に動くには面白い相場付きだと考えます。