市場の目「決算!決算!」(2024.04.26)

「昨日のニューヨーク市場は、三指数とも下落。ダウ平均は大きく下げた後
戻したものの大きな下げ幅となりました。

金利上昇が止まらず、やはり、益回りとの矛盾の拡大は株式市場を維持する
には厳しいのではないかと想定しています。

日本市場も、先物主導での「値がさ半導体株」の「現実」が次第に白日の下に
さらされようとしています。」

■アメリカではインフレへの回帰が危惧されています。
連日コメントしていますが、アメリカの株式市場をけん引している「両輪」
である「金利引き下げ」と「好業績」の内、「金利引き下げ」の輪が怪しく
なっているわけですから、株価が停滞し、動揺するのも無理はありません。

アメリカの決算開示は第一四半期であり、次の四半期の見通しを「強気」
にするか「弱気」にするかで株価の動きが変化します。

未だ今年度が始まったばかりであり、なかなか市場を驚かすような「強気」
のガイダンスを語るタイミングではないと考えています。

それだけに、「金利引き下げ」という輪は、重要な変動要素となるのです。

■日本市場では、昨日の大幅下落に対する自律反発で株価は戻りました。
本日は、月末の(連休に入るため26日が月末取引です)取引でTOPIXの
ポジション調整がありました。
そのため、売買代金が4兆9000億円と膨らみましたが、その売買量を勘案すると
通常取引は、縮小気味であると言わざるを得ません。

日本銀行は政策決定会合で、想定通り目新しい政策変更はありませんでした。
日本の経済回復はまだ道半ばという事なのだという事だと考えます。

■この欄で何度もコメントしましたように、値がさハイテク株、とりわけ
半導体関連銘柄は、日経平均先物を上昇させるための「道具」として、
業績の拡大以上に評価されてきました。

決算開示で説明される今年度の見通しが、株価を維持するに足るものである
かどうか、いよいよ診断が下ります。

先行して開示が進んでいる「ソシオネクスト」「アドバンテスト」「ディスコ」
等の業績は、決して悪くはありません。
今期の見通しも悪くはありません。
しかし、評価されている株価とのバランス見ると著しく評価されすぎていると
考えます。

もともと日経平均先物を上げるために形成された株価ですから、実態と
乖離が生まれるのは致し方ないところですが、乖離幅が大きすぎる銘柄が
散見されています。

■今後どうなるのか?
日経平均先物にリンクさせて現物でけん引していく業種が変更されると
考えています。

値がさ半導体銘柄からどの業種に移行していくのか、それは、これから
次第に判明してくると考えています。