市場の目「海外投機筋の不在」(2024.04.12)

「昨日のニューヨーク市場は三指数まちまちの動き。ダウ平均は下げ、
ナスダックとS&P500指数は上昇しています。

ナスダックは上昇して、4月4日につけた「ラッパ足」を否定した形です。
ダウ平均は、調整継続です。

日本市場は、4月1日の「ラッパ足」を否定する勢いがありません。」

■アメリカの短期投機筋の資金は、株式市場から逃避している可能性が
有ります。
債券市場では、アメリカFRBの「金利引き下げ」が先送りになりそうなことに
反して、ECBでは「金利引き下げ」が速まりそうです。

となると、ユーロ市場での債券価格は上昇(金利低下)する可能性が高く、
「ドル債」売り「ユーロの債券」買いの動きがでます。

その動きは、対ユーロで、「ドル安、ユーロ高」の動きにつながります。
また、金先物、原油先物への投機資金の流入も続いているようです。

商品先物も含めて、これ等のSQが来週金曜日に迫ります。
こちらでアービトラージを行ったほうが、資金運用としては「効率的」
という事なのかもしれません。

従って、アメリカの株式市場では、自律反発での小動きに終始すると
考えています。
出来高が増加していないのが、ナスダックの上昇継続を支持していないと
想定しています。

■日本市場では、ここ半年ほど続いてきた海外短期筋による「SQ」がらみ
の仕掛けが起きませんでした。
日本市場の決算が近いこと、ある程度、株価を押し上げてしまった事、
それにより日本市場で仕掛けるには効率が悪くなったこと、などが理由
で、仕掛けを見送ったのではないか、そう考えます。

短期投機筋の狙いは商品先物や米欧の債券市場、ドル円の為替市場に
向っていると考えています。

とりわけ、「円ドル」は、財務省が介入しようにも、責任者である
岸田総理が、アメリカを国賓待遇で訪問中であり、最終決断ができません。
その間隙をついて、仕掛けたと想定します。
「為替介入」を無邪気に信じた個人投資家に、大きな損失が生まれたの
ではないかと懸念しています。

■日本の個人投資家はいまだ健在です。
先週も5000億円以上を買い越しています。
しかし、それだけでは日本市場はやはり動かないのです。

70%を占める海外投資家の参加が待たれるところです。

本日はSQでしたが、売買代金は4兆円台です。
いかに海外からの関心が薄らいでいるかの証明でもあります。

決算まで待てというサインだと考えています。