「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに小幅な上昇でした。債券金利
の小幅な低下により株式市場が反応した形です。
現状では、大きな動きが取りようもない、というところです。
日本市場は、ようやく600社余りが決算開示を通過したところです。
方向性を見極めるにはまだまだ日柄が必要です」
■ニューヨーク市場は、何度もコメントしていますが、株式の「益回り」
と債券金利が「逆ザヤ」の状況です。
経済合理性に逆らっているこの状態は、「金利低下」「好業績」という
期待感で巨額の投資資金が作り上げた状態です。
「好業績」への期待感がより強く、「金利低下」の予定が後ずれしたため
に、「逆ザヤ」の動きが顕著になったのだと考えています。
どうすれば解消されるのか。
おそらく、景気停滞がより顕著になり、株より先に「金利低下」がはじまる
事が重要だと考えています。
一旦景気停滞が進みだすと、中々金利だけで修正が出来ないからです。
アメリカは、もみ合いが続くと想定しています。
■日本市場では主力銘柄の決算開示が続いています。
昨日もコメントしましたが、強気すぎた「市場コンセンサス」を基準とした
判断で、「好業績」にもかかわらず株価が下落したり、「普通の業績」
なのに株価が上昇したり、とまちまちの動きです。
これは決算時期にはありがちな相場の動きです。
企業経営者は冷静に保守的に先行きの業績を見通します。
イケイケで強気の見通しを好む投資家とは乖離が大きくなります。
決算内容の機微をなかなか市場が理解しにくいため、分かりやすい材料に
反応が左右されます。
つまり「増配」「分割」「自社株買い」です。
決算開示した企業の内半数以上が増益です。32%が減益、16%が変わらずです。
総じて日本市場の「一株当たり利益」は増加傾向が続いています。
■個人投資家の取るべきスタンスは、決算が通過して、市場の方向性が
明確に出てくるまで様子を見る、というのが正解です。
「火事場泥棒」のように、決算後の混乱で一儲けしようとするのは、あまり
賢明ではないと考えています。