「先週末のニューヨーク市場は三指数とも小幅な動きでした。ダウ平均とS&P500
指数は小幅上昇、ナスダックは小幅下落でした。
金利引き下げの方向性が定まらない中で、長期投資家の動きが定まらず、そのため
短期投資家の投機的動きが中心です。
日本市場は、短期の海外投資家に翻弄されています。」
■今週アメリカでは卸売物価指数、消費者物価指数が開示されます。
その数字によっては、「金利引き下げ」への道筋が一気に開く可能性があります。
既に第一四半期決算の開示が終了して材料難に陥っているニューヨーク市場です。
一部には企業業績の堅調さを期待する投資家も存在しますが、「金利高止まり」の
影響が社会全般には効いてきていると考えるべきです。
上場していない企業群、小規模企業群などで景気の後退が顕著になっている
とも言われています。
その一方で、デフレ圧力が強くないため、一度上昇した物価は、なかなか下落しにくい
状況です。
つまり、数字として明白な「インフレの終息」は確認しづらいのです。
アメリカは難しい状況になりつつあります。
いよいよ、景気の突然の後退、金融機関もしくは、中堅不動産会社の倒産などという
事態が起きる可能性があります。
調整が必要なのです。
■日本株を長期で投資しようとしている海外投資家の多くが、アメリカのこのような
状況を懸念しています。
そのために、日本市場へ本格的な買いを入れることに躊躇しています。
決算開示が続いています。確実に増益を想定する会社が多く、25年三月期の企業業績
はかさ上げされてくると考えています。
企業業績が拡大して一株当たり利益が増加すれば、PERが同じでも株価水準は上昇
します。
日経平均株価は、いずれ上昇を開始すると考えています。
しかし、その時期は、決算内容をきちんと分析してからです。
その間、「市場コンセンサス」との比較を材料にして、「火事場泥棒」的な投機が
跋扈しています。
「脊髄反射」的なこの動きは、短期限定です。
むしろ、火事場泥棒に荒らされて、株価が下落したところが絶妙の仕込み場に
なると考えています。
■株式投資は「均衡」と「不均衡」の変化を捉えることです。
「火事場泥棒」のおかげで株価は突然「不均衡」状態に陥っています。
「不均衡」な動きは遠からず「均衡」に戻ります。
「均衡」してからが買いタイミングの探しどころです。
慌てることはないと考えています。