市場の目「無邪気なアメリカ」(2025.03.03)

「先週末のニューヨーク市場は、「トランプ・ゼレンスキー破談」を
受けて、三指数ともに上昇しています。
欧州の平和を期待した投資資金の欧州怪奇の流れが、一転して、再度
アメリカへ還流したことが背景だと考えています。

日本市場はその影響が世界で初めて出てくる市場です。
日本市場は、週末の売り先行から、買戻しに入りました。」

■アメリカの現政権の考え方は、「即物的」であり、また「刹那的」
でもあります。
恒久的な平和ではなく、短期的な「停戦」などによる「結果」が先行
します。
トランプ大統領が、ロシアや中国とどんな「デイール」を行いたいのか
という開示をしないで関係各国に関税などの断片的な情報だけを伝えて
支持を求めるには無理があります。

アメリカはアフガニスタンで莫大な資金を浪費しました。
ベトナムでも、イラク振興でも同様です。
アメリカという独立した大陸に存在する国であり、他国からの侵略などを
受けたことのない「無邪気」な国に、現在の欧州の難しい「歴史的」な
紛争を解決させようとするのがそもそも難しいのかもしれません。

アメリカは第一次世界大戦でも、第二次世界大戦にも参加しましたが、
とりわけ第二次世界大戦では、イギリスに多大な負債を背負わせました。

アメリカという国は「理念」で動く国ではなく「報酬」で動く国なのです。
その現実を改めて今回の「トランプ・ゼレンスキー会談」では世界中に
知らしめたという事だと思います。

「無邪気な幼児」という印象ではあります。
「幼児」は周りから大事にされます。自身の要求がすべて通るのが当然だ
と考えます。

しかし、永遠の「幼児」のような国は「成長」し続けます。
「成長」に賭ける投資家はアメリカにやはりかかわる以外にないのです。

そんな現実を見せつけられた気がします。

■日本市場もアメリカの一つの部門と考えてもいいかもしれません。

欧州へ回帰していた資金が、急ぎ日本市場での買戻しに向かいました。

停戦後の欧州の景気拡大を見越して、日本株を売り越した投資家が、
「トランプ・ゼレンスキー会談」で、欧州回復のしなりを再構築する必要が出て
売りから買いに転換せざるをえなかったわけです。

しかし、銘柄の物色は変化します。

欲市場の動きを見てください。