「昨日のニューヨーク市場は三指数まちまちの動き。ダウ平均はマイナスですが、
ナスダックとS&P500指数は史上最高値を再び更新しています。
FOMCを控え、本日は消費者物価指数も開示されます。
日本市場は日銀政策決定会合を控え、機関投資家などの動きが止まっています。
出来高は今年最少の3兆3000億円余りでした。」
■アメリカ経済は何度もコメントしていますように、景気後退の兆しが次第に
強まっています。
アメリカの多くの企業が、金利の引き下げを待ち望んでいる状態です。
FRBは、世界の中央銀行の中で、「デフレ対策」を最もうまく切り抜けてきた
組織です。
反面、インフレに対しては、何度も苦戦をしています。
ECBは先週金利を引き下げました。
欧州では、ドイツで「ハイパーインフレ」を経験したこともあり、厳格な
「インフレ」制御が行われています。
歴史と伝統を背景としているというところでしょうか。
そのECBがアメリカに先立って金利を引き下げています。つまり、欧州での
インフレは終息したと宣言したのだと考えています。
欧州では、景気の立て直しにバイアスが移りました。
アメリカは、財政出動で資金をばらまくなど「デフレ対策」は今世紀に入り
旨く対応しています。
リーマンショック、コロナ禍というデフレ危機を世界でもっとも素早く乗り越え
ました。
しかし、「インフレ」対策は国民性としても苦手なのかもしれません。
とはいえ、アメリカ経済は「金利引き下げ」を渇望していると考えています。
■日本市場は海外の短期筋の一部しか動いておらず、出来高が減少しています。
方向感が見えず、指数先行の動きのため、「デイトレーダー」や各証券会社の
「歩合制のデイラー」などのいら立ちが見えるようです。
彼らは、何でもいいから動いてくれなければ困るのです。
泳ぎをやめると死んでしまう「マグロ」や「サメ」と同じです。
かくして、小さな材料を取り上げて中小型株などを物色しています。
この動きは継続しません。
持続的に企業が変化する、社会が変わるほどの大きな材料ではないからです。
今週いっぱいこの動きが続きます。
植田日銀総裁の週末の発言次第では来週までその影響が残るかもしれません。
ここは冷静に様子を見るべきです。
来月から日本では「新紙幣」に変わります。
株主総会も終了し、配当金の再投資も始まります。
まずは高みの見物です。