市場の目「落ち着く相場」(2024.02.28)

「昨日のニューヨーク市場は、三指数まちまちの動き。ダウ平均は下落、
ナスダックとS&P500は、小幅上昇でした。

上値を追うには材料が少なすぎ、とはいえ半導体業界の先行きに期待すれば
売り先行も難しい、というところです。

日本市場も同様の動きです。」

■今晩アメリカではGDP改定値が開示されます。
しかし、現状では、株式市場に大きな影響が出るとは想定できません。

ニューヨーク市場での関心は、FRBによる「金利引き下げ」の日程にあります。
物価状況の確認が待たれるところです。

前回コメントしたように、アメリカは株価と個人消費のジレンマが起きつつ
あります。
金利低下を期待して株価が上がれば、個人所得が増え、消費が増大する。
そして増大した消費が再びインフレの原因になる可能性が生まれる。
また、消費好調による景気の堅調さは、金利を大きく引き下げる必要性を
喪失させます。

とはいえ、金利引き下げが無くなり、再度の金利引き上げの可能性になれば、
この株価と消費の好循環は逆回転を始めます。

景気停滞への懸念が高くなるわけです。

FRBの綱渡り的な政策決定が続きます。

■日本市場は、日経平均をけん引してきた値がさハイテク株の上値が重くなり
ました。
業績の具体的な拡大の開示が無ければ、極端に高くなっているPERを維持する
事が難しくなります。

そのため、本日も物色の範囲は拡大していますが、やはり、値がさハイテク株
程、指数を押し上げる力はありません。

日経平均が久方ぶりの小幅下落となった理由はそこにあります。

日本市場も、値がさハイテク株の上値を無作為に追い続けることが難しいから
です。

また、二月決算銘柄の配当落ちも影響したと想定しています。

いずれにしても、当面は足踏みが続くと考えています。