市場の目「閑散じり貧」(2024.06.11)

「昨日のニューヨーク市場は、三指数ともに小幅高。S&P500とナスダックは
再び最高値を更新しました。

日本市場は昨日に引き続き閑散です。

日本市場の方がFOMCの結果を待ち望んでいるようです。」

■FOMCでは現状維持が想定されています。
しかし、何度もコメントしたように、アメリカの雇用環境から見る景気動向は
危うさがあります。

家計調査で見ると、就業者は大幅に減少しています。
新規雇用者数が想定以上に増加したにも関わらず、失業率が上昇している背景は
ここにあります。
家計調査によると、フルタイムの雇用者の減少が続いています。
反面、パートタイム勤務者が増加しており、マルチワーカーが増加しています。

雇用が増加しているのは、「看護師」「介護」「ヘルパー」「接客」「建設」
「電力」などの分野です。

アメリカが今後の世界と社会の成長をけん引してくれると考えている「情報技術」
産業の雇用者数は減少傾向です。

果たして、「金利」を高止まりさせておく理由はあるのでしょうか?
「インフレ」を導いている背景は労働市場の逼迫と賃金上昇にあるのでしょうか?

パート・アルバイトの賃金が上昇して物価を押し上げているとは、なんとも納得
しがたいと思います。

中国から輸入されている日用品が「関税」のおかげで価格が上昇している。
ウクライナ戦争のせいでウクライナなどから輸入していた小麦などの価格が上昇
している。

など理由が浮かびますが、いずれも「金利」とは関係がないところです。

FRBとアメリカ財務省は、「ボタンの掛け違い」をしているのではないでしょうか。

その間にじわじわとアメリカの経済の後退が進んでいる、そう考えています。

■日本市場の取引の70%は海外投資家です。
アメリカの状況が「気分」として日本市場にも影響されます。

反面、日本市場の優位さが際立つようにもなっています。
投資ファンドが巨額の資金を日本に投入しようとしている事でも明白です。

主力の海外投資家が減少しているため、閑散市場が続いています。

金曜日のSQまで、動きが出るのか、注目したいところではあります。