「昨日のニューヨーク市場は休場です。
欧州市場の軟化を受けたのか、日本市場は、朝方から売り先行の
動きが強まりました。
しかし、急上昇の後の調整だと考えています。
上昇幅と比較して、本日の下落幅は、比較的軽微といえるのでは
ないでしょうか。」
■昨日の欧州市場では、軒並み下落が続きました。
日本から見れば、遠くの戦争ですが、中東で「フーシ派」が米軍に
反攻したというニュースは、欧州にとっては、あまりいいニュースとは
言えません。
昨日もコメントしましたが、「スエズ運河」はエジプトやサウジアラビア
にとって重要な「利益を生む社会インフラ」です。
イスラム諸国の間でも何も生み出していない最貧国のイエメンとエジプト
やサウジアラビアとでは、本音での立場が大きく異なるのです。
とりあえず欧州の株式市場が軟調だったのはやむを得ないと考えています。
■日本では、「新NISA」の開始が大きなインパクトを持つと言われています。
海外投資家にも、日本の莫大な個人金融資産が、証券市場に向うという事
を材料として、先行して日本株投資に参入していると想定しています。
「新NISA」では最初に積立投資枠が拡大しています。
証券会社以外でも銀行などが勧誘できる商品ですから、それは当然だと
考えています。
その「積み立て投資枠」で投資をする日は決められています。
多い日は、一日、十五日、月末と推測されています。
まさしく昨日は、「新NISA」の積み立ての投資の日であったのではないでしょうか。
そのために日本勢だけで相場が堅調に推移しました。
さて、本日は、その買いが減少したため、利益確定売りが先行して、株価が
反落した、という事だと考えています。
■昨日東証が「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を
している会社名を公表しました。
プライム市場で半数以上の会社が対応しているあるいは検討中であるとされました。
スタンダード市場では20%前後の会社が名前を上げられました。
さて、この資料をよく見ると注目すべき点があります。
「英文」での開示をしている会社は、さらに少なくプライム市場の中でも半数以上
の会社が「英文」での開示をしていないのです。
現在の日本市場は、日本人だけが参加している市場ではなく、むしろ、海外投資家
の方が圧倒的に存在感を示している市場です。
その市場の中で「英文」表示をしていないという事は、「サービス精神」の
豊富な日本人としてはいささか問題があるのではないでしょうか。
町中に溢れる英文や中国語、韓国語の表示を考えるに、より情報が必要な
株式市場で、「英文」表示をしていないとは、誰が、株価を上げてくれるのかを
よく理解していない証左だと考えています。
■「買い手」を想定しないで「商品」を作る会社などありません。
株式市場に真摯に向き合えば、その基本原則がわかりそうなものだと思います。
最も日本人は「同調圧力」に弱い国民です。
遠くない時期にすべての上場会社が「英文表示」を当たり前とする時代が到来
すると期待しています。