「昨日のニューヨーク市場は三指数まちまちの動きでした。ダウ平均と
S&P500指数は小幅上昇しましたが、ナスダック市場は下落しています。
昨日は債券金利は下落しており、金利引き下げと株価の関係性が少し
乖離している観があります。
日本市場は、ナスダック市場に連動しています。
昨日の上げを振出しに戻しました。」
■ニューヨーク株式市場は際どいバランスで成立していると何度かコメント
しました。
株式市場の益回りが、債券金利と逆ザヤになっており、非合理的な状況
です。
この状況が正常になるためには、企業業績が加速度的に拡大するか、債券金利
が下落するか、あるいは両方が同時に起こるかいずれかです。
雇用統計の結果を見ると事業所統計では、堅調に推移していますが、家計調査
は、下落しています。
また、アメリカINDEEDの調査では、地域ごとに求人状況が異なっています。
例えば、ハイテクの集約地では、雇用は大幅に減少しています。
反面、看護師や接客業は依然として堅調で、総じて堅調な数字となっていますが
経済全体をけん引するハイテク産業での人員が余剰となりつつあるのは、大きな
「景気後退」の兆しです。
ニューヨーク株式市場は、正念場です。
■日本市場では、主力銘柄の決算開示が始まりました。
三菱重工(7011)やトヨタ(7203)の決算が開示されました。
増配、自社株買い、分割という三点セットでは、トヨタは増配と自社株買いを
三菱重工は増配(すでに分割と自社株買いは開示済み)を改めて開示しました。
しかし、今期の想定数字は、いずれも市場コンセンサスを下回り、株価は瞬間的に
売られました。
昨日もコメントしましたが、現在継続されている「市場コンセンサス」は、年初
からの上昇相場を継続させたいバイアスがかかっています。
そのため、「高め」の「コンセンサス」が多くなっています。
「市場コンセンサスを下回ったから売られる」というパターンは、今後も続き
そうです。
とはいえ、トレンドとしての増収増益傾向は継続しています。
前期の増益幅が大きすぎて、今期は減益という開示が多くなっています。
日本企業特有の「保守的」な開示だと想定しています。
■海外投資家の分析はこれからがスタートです。
日本市場が「下落」に転じるような決算の数字ではありません。
「果報は寝て待て」です。